麦畑のむこうのその街で

夕方から出張で、福岡市から南に下って久留米市の手前にある小郡市まで。小郡、というと新幹線の駅で市にない駅は?という話が昔あったんだが、そんな駅も名前変わってしまったし、地味なところだねえ、小郡。ざっというと鳥栖からちょっと東に行ったところになる。


西鉄電車から見る風景はこんな感じ。5月のこの時期って、田んぼに水が張られていて、田植えがぼちぼち進んでいて、という風景が本土なんだがこっちは一面金色、麦の収穫の時期が近づいてきた。昔から見慣れた風景のはずなんだが、どうも季節感がやっぱり本州とは違ってきますね。


小郡の商業集積を見に行こう、ということなんだが、「商店街」という様な集積があるわけではない、国道沿いや駅前に一定の商業集積があるかなあ、といった程度だ。まず駅前、不動大きな不動産店がやっぱり多いなあ、といった程度で、新しいマンションが多いのはどこも同じ。福岡までらくらく通勤圏だからねえ、駅前から伸びる道路も広く、ちょっと駅まで送迎というのも便利そうだ。


ぶらぶら歩いて5分ほどのところに大型スーパーの建物、昔は寿屋系の「えじまや小郡店」が入っていたんだが、もちろんとうの昔に会社はなくなっていて今は「マルシェ」というスーパーが1階に、2階に格安の衣料品店が(本当に安かった)、3階に100円ショップのキャンドゥが入居している。4階は閉鎖されている様子、そして建物も各フロア使い切らないようで、防火シャッターを境に半分くらい閉鎖されていて、ちょっとさびしげだ。写真だと前の道路は広いが、

大きな地図で見る
こんな感じで、南北とも広くなっているのは一瞬だけでまったく意味を成していない。こんなところにこんな大きな建物があるんだから、えじまやがあった頃からここだけ道が広かったんだろうなあ、と思うと、適当な都市計画の犠牲になった感が無いわけでもないんだけれども。いや、鮮魚とかはテナントが入っていてうまそうだったんだが、いかんせんお客さんが少ない様子。


その裏側に戻って、線路沿い、昔からの道路沿いには「西鉄ストア」。平屋のぺたっとしたコンパクトな店で、昔ながらだなあという感じだけれども支持されている様子。甘木鉄道西鉄の線路の交わる角のところにあって立地状況はよくはないはずなんだが、市街地に他にスーパーもあまりないというのもあるんだろう。


住宅地の中を相変わらず歩いていくんだが、そこここにがんばっているお店が。すげー安くてかって帰りそうになったんだが、今から会議なので断念。


こんな感じで市街地を一時間ほどかけて一周してみた。小郡の商業集積を自分なりにどう捉えるか?ということで来て見たんだが、たしかに核がなくて漠然とお店が点在しているんだなあ、というのが正直な感想だった。実際、そこで商売をやられている方にとってはちがうよ、という意見もあるかも知れないんだけれども。ただ核がないとはいえ中心市街地、駅前とかにお店がなくなってしまう、というのも困るわけで、しかし街はどっちかというとマンションを作って駅まで徒歩か車で送り迎え、休みの日は福岡や久留米へ、というライフスタイルを支持しているようなつくりになっている感もあり、これからどっちに向かうのか?というのが難しいところか。