美和台コミュニティバス

自分の実家は、福岡市内の東の外れの新興住宅地に位置している。新興住宅地、といっても父親がここに家を建てたのはまだ自分が小学生になる前、開発されて40年を迎えようとしており、町並みはずいぶん古びてしまった。高齢化率は市の平均を大きく上回る22%(とはいえ、この数字は福岡県全県の数値とほぼ等しい)、周りを見ても、小学校、中学校の友人はほとんどここを出ており、親だけがのこっているというのが目につく。そして、自分もまったくそうだ。
そんな団地の名前は美和台(みわだい)という。三苫の「み」、和白の「わ」、丘陵だったので「台」という成り立ちで、その昔は「三苫向山」「飛山」「北山」と呼ばれていたという。

そんな住宅地に、ある日コミュニティバスが走り始めた。これを知ったのは、西鉄三苫駅前の小さなスーパーに置いてあった「バスが走ります」というチラシ。一瞬何事かと思った。

走り始めてすぐ、バス停で時刻は見たのだが、なかなか行けず。


要望にあるように、確かにこの住宅地、高低差が激しい。西鉄三苫駅からのびるメインストリートでさえ、こんな感じ。

坂を上りきって先を見ると、さがってまた昇る。ちなみに信号の向こうが福岡市の住宅地、手前が西鉄開発の住宅地。中央にショッピングセンター(といっても個人商店が集まった公設市場的なものだった)「美和台シティマーケット」というものがあったが、20年以上前に姿を消している。買い物をするにはどちらかの山を越えないといけない。歳を取ると確かに大変だろうなあ、とは思うところだ。

結局、バスの姿を見たのは4月に入り、桜が満開のある平日のことだった。

美和台…ではなくて、隣接する住宅地「美和台新町」へも一部路線が経由している。こちらは15年ほど前に開発された新しい住宅地、新宮町の住宅地(湊坂)に接している。

コミュニティバスだけあって、住宅地の中まで入っていくルートも。まさかこんなコース設定だとは。(美和台5丁目)

美和台新町から美和台へ。先に2人たっているあたりがバス停。

そんなこんな、小さなバスが走り回っていた。