京都市でのLRT実験

パリでもLRTが開通したり、ようやく実用化の目処がついた感じのあるLRT,しかし日本ではまだほとんど実績がありません。既存の車両の置き換えはすすんでいるのですが、富山市富山ライトレールで、一部市街地に新線が引かれたくらいでしょうか.既存の道路の一部に線路を通すことにはさまざまな反対意見があり、なかなかうまいこと行かないようです.むしろ岐阜などいまだに路面電車の衰退は続いているのが現状でしょうか.
 さて、京都市でLRT導入に向けての社会実験が行われたとか.


新型路面電車(LRT)の導入を検討している京都市は24日、今出川通(同市北区・北野白梅町左京区出町柳)の約4キロの区間で、LRTに見立てた市バスを走らせる初めての交通社会実験を行う。道路の一部を占有してLRTの走行環境に近い状態を作り出し、一般車両の通行や地元の市民生活への影響を調査するのが狙い。
 (中略)実験は24日午前10時から午後1時まで。片側2車線のうち、中央の2車線をカラーコーンなどで区切り、LRTに見立てたバス8台前後を10分間隔で運行。事前に募集した市民モニター300人に実際に乗車してアンケートに答えてもらうほか、車線が減少することによる一般車両への影響なども調査する。
京都市街は堀川通五条通などごく一部を除いてはほとんどがせいぜい片側二車線で、自動車交通に不適な街だといえると思います.市街地も比較的狭いなかに密集しているので渋滞が激しく、五条から三条までのわずか2キロほどに1時間くらいかかるとか観光シーズンになるとありますものね.住んでいて思ったのですが、自転車が一番早くて確実な交通手段でした.あと単車とか.公共交通機関のバスはというと、敬老パスで乗車する高齢者ばかりというイメージでしかなかったと記憶しています.
京都の人って実は公共交通機関ってそんなにつかってないんじゃないかなあ、とふと思ったんですよ.京都のバス(交通局)って、高くて(初乗220円、たしか15年程前にはもう200円でしたっけ)、時間通りには絶対来なくて、そしてサービスが悪いと三重苦で有名でしたが、路線網はかなりのものだったと思います.それでも車で移動するんですよね.もしかしたら「バスは大通りしか通らないし定時性がない」→「車だと路地をつかえる」といったこともあるからかしらん.そんな中で、ようやく盛り上がってきたLRTへの歩みはぜひ止めないで欲しいものです.地形もフラットで格子状、中心市街地は四条河原町を中心に密集している、住宅地の拡散はあまりない、LRTには最適な街だと思うんですけれどもね.

 京都市が24日に実施したLRT実験では、約300人の市民モニターが4カ所の“駅”で乗り降りした。LRT役の市バス8台を約10分間隔で走らせ、今出川通は一部を除き片側1車線になり、渋滞も発生。府警は「通常の市バスの乗降の際に多少渋滞したが混乱はなかった」、市は「大幅な遅れもなく順調だった」としているが、沿道には「断固反対」を叫ぶ市民の姿もあれば、「車優先社会を変えるには必要」という声も。さまざまな思いで実験を見守った沿線住民やドライバーらの声を聞いた。
住んでいる人の意見としてはいろいろあるんでしょうが、自動車交通に対応した街づくりができるかといえばそうでもない訳で、取捨選択でどういう街をめざしていくかということにしかならないと思うんですけれどもね.反対意見として沿線商店への集客の悪影響、というのが上げられていますが、京都は中小商店が他の都市に比べて圧倒的に保護されてきたからじゃないかなあ、と思います.しかしそんな京都市ですら徐々にNSCなどの新しい形の商店が現れてきているわけで、この辺で中心部のあり方を考え直していかないといけないんじゃないかなあ、と思うんですけれどもね.

今回実験が行われたのは左京区出町柳から北区北野白梅町までの今出川通叡電嵐電の乗り継ぎということで、観光客くらいしかあんまり使わないルートです.そのへんもあったのかしらん.