東京メトロ丸の内線・本郷三丁目駅

sa-502005-05-28

今日は昼前に秋葉原に向かう途中にちょっと散歩です.スタートは三田線の春日、まあ丸の内線だと後楽園ですか・・・
まあ後楽園の駅自体春日と水道橋の駅の真ん中辺りにあるので、いつも微妙な乗換だと思っているんですがそれはそれで.

春日から本郷三丁目へは丸の内線の上を歩いてもいいんですが、一本入った菊坂を歩いてみることにします.地図を見てみると、樋口一葉ゆかりの地、ほかに宮沢賢治の下宿跡があったり、東大にも近くむかしからそういう下町、(後の)文化人の多くすごした地域だというのが分かります.

だらだらと上る坂の両側には看板建築や昔からの木造家屋、店先ではおばあさんが猫の世話.
すぐ下には平行する旧坂、そこからふいと横を見ると本当に路地がひっそりと息づいています.

あまり詳しく調べてこなかったのでそんなに見たわけではないのですが、都心近くにこんなに昔ながらの風景が残っているのはなぜなのかちょっと不思議でした.東大がすぐそばにあるから?学生街、こういう文化が新しい開発から守ってきたんでしょうかね.ただ、この路地はやはり災害が起こったときのことを考えるとあれだなあ、とか.

菊坂をでて国道17号本郷三丁目の交差点にでると人通りも多く、明治あたりから一気に現代に戻ってきたような違和感を覚えます.で、出口あたりのもう半分くらい空区画の目立つ商業ビル、入ってみると昔ながらの古本屋が入っているではありませんか.うずたかく、あくまで雑然と積まれた黄色く焼けた本の山.「売れるかどうか」ではなく、「書いていることに価値があるかどうか」だけで決められたような値段、奥さんに話しかけられても黙々と本を物色するオッサン.10年も昔、意味もなく憧れていたなんだかよく分からなかった世界がそこに.

岩波文庫なんか買ってみます.以下4冊で〆て600円.
上田敏詩抄」(岩波文庫昭和15年増補)・「人文地理学原理 上・下」(ブラーシュ著、飯塚浩二訳・昭和16年2刷)・「帝国主義」(レーニン著、宇高基輔訳・昭和46年).

岩波文庫でね、一冊2000円するのがあるんだけどね、うちそれを200円とかで売っちゃうのよ〜」とおばちゃん.聞いていると「あそこの喫茶店はこの前店を閉めた、こっちには串揚げ屋があったんだけど」とかそんな話になってきました.変わらないようでいて、急速に変わりつつある様子が見て取れます.もちろんまったく変わらないというのはありえませんから、今のよさとかを残した包括的な変化がなされたらいいんだけどなあ、と思います.

本郷三丁目の駅は奥まったところにぽこんと地上駅舎のアーチがかかっている妙なつくり.地下にスペースがないからこその施設なんでしょうが、効率的なのかどうなのか、ただ新しく開放感のある駅です.土曜昼間なのにえらく若い女の子も多いなと思ってましたが、なるほど今日は東大の学園祭(五月祭)が行われていたようです.