名鉄美濃町線

とりあえず仕事もひと段落したので、岐阜に向かう。目的は、まあ名鉄美濃町線でもぶらっと乗るかね〜、というところだ.名鉄美濃町線というのは、岐阜の駅前(正式には新岐阜)あたりから市内をうねうねーっと走って、郊外に出て関にいたる(以前は美濃まで行っていたんで美濃町線)小さな電車。岐阜市内には同じく反対側の郊外に行く揖斐線というのもあるんだが、どっちも電車は小さいわちゃんとした線路は走ってないわ、つうおよそ時代離れした代物だ。あんまり時代離れしずぎてて、初めて見たとき(10年ほど前)には呆然としたんだが、ついにこんなことになってしまった。


名古屋鉄道は、かねてより岐阜600V線区の撤退を表明してきましたが、本日(3月1日)、来年4月1日の廃止に向け、揖斐線の廃止届出書と、岐阜市内線美濃町線田神線の廃止許可申請書を国土交通大臣に提出しました
で、そのあとこのような動き(外部リンク:どうなる?岐阜の路面電車)もあって、一時期は岡山の岡山電気軌道が買収するという説もあったのだが、岡山電気側はあくまで上下分離による運行委託方式を主張、対して地元自治体が負担を嫌がり話がまとまらず、現状では計画通り来年春の廃止が濃厚らしい。

路線はというと、岐阜駅から近い名鉄新岐阜駅前から揖斐線が出ており、2つ先の徹明町で美濃町線と接続している。ちなみに新岐阜の駅からは直通で美濃町線へ行く線路(田神線)もあって、そのなかで市内を走ってる区間岐阜市内線・・って分かりにくいな。恥ずかしながらそんなことも知らなかった。しかも駅にも自線の路線図しか貼ってなくって、おんなじ会社なのにどこでどう乗り換えられるとかは一切書いてない(見逃しかもしれないけどさ)。う・・・ん、やる気なさげだ・・・

ぶらぶら人気のない朝の市内を歩くとすぐに徹明町の駅に着く。赤い古びた路面電車がヲタを数人乗せて走っていってしまった。やがて降りてきたのはグリーンとクリームの593号車。おお、こんなのもいるのか・・・・
でも時刻表を見るとなんと30分間隔。そんなに待てるか!と岐阜バスでとりあえず関方面まで。

線路と並走しながらバスは進む。ていうか岐阜市内線路面電車なんだが電停は道路に引かれたただの線だし、いきなり単線になったりするし、そもそも市街地に人気がまったくないし、郊外に出ても線路は国道に並走しっぱなしで草生してるし、なんだかなあ・・・の連続だ。いやソレがいいんだけど、大丈夫なのか?もっと前から手を入れてればもうちょっと公共交通機関として使えただろうになあ。ところどころにある駅、少しはお客さんいるんだが日曜の昼前に殆ど無人じゃなあ・・・

途中駅だか道路だか分からない日野橋で下車、写真を撮ったりして昼前に上芥見まで移動。よくゆれながら列車はゆっくりと進む。下芥見は本当に路地(一応県道)の端っこに線路が引いてあって、ものすごく低いぼろぼろのホームがぽつんとあるという日本離れした駅。
で、またぶらぶら歩いて戻ったり。上芥見で交換を眺めたり、田圃の中をぽつぽつ歩きながら写真撮ったり。
沿線はどうってことない中途半端な田舎なんだけどな。そんなに素敵な田園風景の中でもないし、家もけっこう立ち並んでるし、田圃はきれいに区画整備されてるが半分は休耕田になってるし、おまけに国道沿いにはラブホとかの看板が立ち並んでるし。でもなんか赤い電車がごろごろ走ってくるとなんか和む。うーん。

久しぶりにのんびりと歩いて写真を撮った一日だった。そのまま東京まで直行。

岐阜市って

高架駅になった岐阜駅に降り立ったのは初めてだったんだが、下りてちとびっくり。
いや、なんもない。駅前には普通にバスターミナルがあったりするんだが、そこにあるのはベンチだけ、しかもそこに到達するのにたっぷり300メートルほど、何もないところを歩いていかなくちゃいけない。周りは工事用の塀に囲まれてたり、駅前にぽつんと木が生えてたり、駅の前の道路を渡る道はすべて閉鎖されてたり、本当にまだ工事中って感じ。
駅前のビルはなんか工事中でどれも解体中だし、で、視線を移すとはじっこに巨大な郵貯会館が聳え立ってたり・・・・いったい何なんだ?この駅。
駅前には一応商店街のようなものが広がってるんだが、これがまた見事にシャッター商店街。ていうか一軒も空いてない訳で、どうやら「繊維問屋街」らしいんだが・・・・これまた完全なゴーストタウンになっていた。ちょっとシャッターが空いている店があったので覗いてみたらただの自転車置き場になってたり、10分ほどうろうろしたが、開いていた商店は一軒だけ、昔からここでスーツを売ってそうなおじいさんが所在なげに格安スーツを売っていたのが象徴的だったな。

確かに日曜日だから問屋街はしまっている、というのはあるかもしれないんだが、それにしても県庁所在地の駅降りたらいきなり繊維街、というのもいまとなっては良く分からない。全然メリットなさそう・・・


岐阜市ファッション産業活性化室が二〇〇三(平成十五)年五月に行った調査によると、問屋町の空き店舗数は東部地区八十、中部地区六十二、西部地区百七。空き店舗率は31・5%(前年26・6%)にも上った。今年六月に実施した調査結果は集計中だが、「再開発計画が進んでおり、町の風景も変わりつつある。繊維産業自体が先細りしている感じ」と市担当者は話す。
うん・・・やっぱり。なんか全体に活気がない。人が住んでる気配がない。岐阜市のページなんかみるとけっこうきれいそうなんだけど・・・写ってる人少なくない?やっぱりこの写真は単なる広報写真に過ぎないんじゃない?と疑いたくなる。

しばらく歩くと、新岐阜あたりに出た。どうやらこの辺が岐阜市の中心らしく、VIVRE、パルコ、LOFTと一通り店が店が揃ってるが、なんか他にないというか奥行きがないような感じ。自然に人が集まってくる・・・ほど魅力はないような気がするが?
岐阜市中京都市圏でありながら、人口は減少傾向だとか。なんか新しい街のあり方に迷ってるような感じ。