西鉄甘木線に乗ってみよう

まっているとやってきたのは甘木行きの普通電車でした。久しぶりに甘木まで甘木線に乗ってみることにします。確か前乗ったときは、200系がリバイバルでたまにごろごろ走っていたころのような…あれからもう20年弱ですから、月日の経つのは早いものです。昔は甘木線の電車は車庫のある花畑〜久留米〜甘木だったのですが、いまや花畑もなにもなくなり、電車も大牟田への普通電車を兼ねて大牟田〜久留米〜甘木、とすっかり甘木線はおまけになってしまった様子です。それにしても面白い運用を考えたものです。

で、本線をがたがたっとまたいで宮の陣駅。築堤上、本線からの分岐に雀田駅のような三角形のホームが作られています。無理やり感があふれるくらい、線路と電車の間に隙間が開いていて(東武浅草ほどじゃありませんが)ちょっと好き。福岡からの急行がつくと40人程のお客さんが乗り換えてきて、ほぼ満員になりました。思ったよりも乗っていてちょっと安心。


電車はちょっと走っては小さな駅に止まり、を繰り返して走ってゆきます。本線と比べるとぐっと駅も小さくなって、なんともいえない味わいがあるわけです。そんな駅のひとつが「学校前」。
駅名の由来は駅前の宮ノ陣小学校から。

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縮尺を拡大するとわかりますが、駅構内のような踏切の向こうにあるのは小学校と駅だけ。駅を出ると、踏切を渡る以外には学校にしか行けない、というなんだかおまけのような不思議な場所に駅が建っています。
でもWikipediaによると


退職者の再雇用による有人駅で、他の駅では子会社の西鉄ステーションサービスが駅務を担当するようになったため、天神大牟田線系統では現在唯一の直営駅となる。また、西鉄電車教習所で唯一、駅務員養成教育にも利用される駅である。
えらいんだかえらくないんだか、どうしてこの駅だけ直営なんでしょうかね。この隔絶した感がモデルとしておいておくのによかった、ということなんでしょうか。

ホームがえらい狭いです。日本一狭いホーム、ということでよく取り上げられていた阪神春日道がたしか240cmだったんですが、それより狭いんじゃないの?という狭さ。昔はそんなに狭いなあ、と思った記憶がないので、白線がもっと外側にひかれていたのでしょう。狭すぎてホームには上屋もベンチも灰皿も、そして駅名票すらありません。

狭い、といえば、本郷駅も狭いです。甘木線、一応通勤通学路線なので朝はそこそこ乗客が居ると思うのですが、このホームでどうやって待っているんでしょうかね。前述の春日道は地下駅で簡単に広げられない、とか理由があったのですが、本郷駅、一面の田園風景の中にぽつんと駅があります。三井軌道で開業した大正10年からそのままなんじゃ?とか勘ぐってしまうほど。

そんなこんなで30分強、だんだん日が暮れて乗客も少なくなってきました。車窓は麦秋、九州ですねえ。

ということでやってきた甘木駅。市街地の端のほう、家々の間にちょこんと収まっています。きちんとロータリーなど駅前広場のある甘木鉄道甘木駅(旧国鉄甘木駅)とは近いですが特に連携をとっていたりはしません。でも小ぶりな駅舎がなんだかかわいいです。この雰囲気、大事にしていてほしいんだけどなあ。

そんなこんなで、バスでここから福岡に向かうことにしましょうか。