一社一村

行政で何ができるかというと、「民間の力をどうやって生かすか?」とかやっぱりその辺を考えてみてね、とかそういうネタが多いんだが、企業誘致じゃなくて企業がやりたいことをうまい具合に地域の要望とすりあわすことができないかね?と、そういう話から「一社一村」の話に。


1要旨
 静岡県では、日本で初めての取組として、企業と農村の協働による地域の活性化を目的とした「一社一村しずおか運動」を進めています。
 「一社一村しずおか運動」とは、農村と企業の要望を結び、双方の得意分野や特色ある地域資源(ヒト、モノ、専門知識、技術、情報、ネットワーク)を活用した協働活動を実施することで、農村への新たな交流と定住を進めることにより、地域の活性化を促進することを目的とした運動です。
 農村と企業や団体が対等なパートナーシップ協定を締結し、双方が継続的にメリットを享受することを基本としています。
2概要
(1)調査結果
 県内外の企業418社へのアンケート調査の結果では、「1社1村しずおか運動」に関心のある企業は82社で、業種別ではサービス業、輸送業、小売業の順であり、企業の参加する条件として、最も要望が大きかったのは農村の受入体制で、次いで行政のサポート、メディアへのPR、表彰制度の順でした。

(2)今までの実績
 平成18年4月18日にホームページを開設するとともに、リーフレットによる情報発信を開始し、農村と企業双方に対するPRおよび参加募集に取り組んでいます。
 この結果、10月、11月に3つの企業が、森町と浜松市で「菜の花の種まき」等を、松崎町菊川市浜松市の3か所で「棚田の保全活動」等に取り組み、農村との交流を深めました。

(3)今後の取組
 今後は、これらの企業の活動が継続的に実施されるよう支援するとともに、活動成果を広くPRし、参加農村の開拓や関心のある企業等への要請活動を推進し、県が中心となって企業と農村のコーディネートを実施していきます。

企業の要望を見ていると、「社員研修」「福利厚生」「なんでもいいからやってみたい」とか、本業以外の部分で色々面白そうだからできないかね?と探っている様子が伺える。この方向だと爆発的に大きな事例が出てくる、ということはないだろうが、東京も名古屋も近く自然で知られる静岡県、うまくやれば引く手は数多なんだろうなあとちょっとうらやましく思うところだ。
 ただ、たとえば新たな雇用の創出、とか、第一次産業促進、とか、農村のあり方をどう変えていくのか、というところに持っていくにはまだかなり難しそうな感じだ。どう「定住を進める」所に持っていくのか、というのが気になる、というか考えないといけないところ。
 逆に言えば、満遍なく都会で満遍なく田舎な福岡あたりでは他にやりようがありそうな気も。視点を変えて商業で何か同様の取り組みができないかなあ、と考えたんだが…思いつかず。