西山駅、そして萩原駅

楠橋から黒崎行きに乗ります.なんと楠橋で交代したのはさっきと同じ車掌さんでした.

車掌台全景です.柱にかかった古風なマイク(車内スピーカ・車外切替可)、ドアスイッチ、ドアキー、料金箱、そして電鐘.



夕刻の町行きですが立ち席がかなり出るほどの状況で走ります.緑の深い西山駅で降りてみました.地図では住宅街に近いのですが、駅はなんだか別世界のようにひっそりとしています.利用者は結構あるようですが、駅を示すものはなにもなく、急坂の下にぽつんとホームがある感じ.
駅の待合の屋根の下、広告がいくつか貼られているのですが、一つは近くのスーパー「にしてつストア」の折込広告がそのまま貼ってありました.ポイント5倍デー、ローカルにして大事な情報だよなあ.

次に降り立ったのが萩原駅.もう北九州の市街地はすぐそこなのですが、静かな団地の一角に駅がありました.駅前には小さなロータリーがありタクシーが何台か止まっています.お客さんのいそうないなさそうな果物屋、美容室、薬局、いくつか店が軒を並べています.なんだかコンビニなんかなかったそんな時代のなにか、という感じ.住宅地なのでそこそこ利用者はいるみたいで電車がつくとざざっと降りてくるのですが、何処へともなくみんな散っていって、また静かな駅に戻るのです.

この駅、上り下りのホームの間に2車線の結構交通量のある踏切があるんですが・・・
警報機も遮断機も何もありません.結構前に「踏切あり」の交通標識がぽつんと立っているだけです.
ごろごろ、と薄暮の町を電車が走ってゆきました.赤い尾灯がカーブの先に消えてゆきます.


これにて夜になりました.そろそろ福岡に向うことにしましょうか.

この筑豊電鉄も、利用者数の減少には悩んでいると聞きます.施策として回数券を11枚つづりから5枚つづりにして割引率もアップさせてみたり、隣駅までの特定運賃(100円)きっぷを販売してみたり、郊外に増えているイオンなどのショッピングモールへの連絡バスを駅から出してみたり、と対応はしているようです.ただ、10分に1本という運転間隔がちょうどいいからでしょうか、比較的利用者はいるように思えました.筑豊本線と競合しているようですが、川がはさまっており競合にはなっていないから、という昔からの原因もあるんでしょうけれどもね.たまにしか乗らないものの、またマニアのたわごとかもしれませんけれども、今のこの雰囲気っていいなあ、と思いますし、だからこそ変わらないでいてほしいなあ、とも感じるのです.使いやすい、というのって結局本数とか、そんなところになるんですよね、多分.この沿線は車社会、と大体いえるんでしょうが、そんななかで大切な線がある、そんなことをふと考えたのです.