その先のあの駅へ

筑豊電鉄に乗ってみたのは、なんか疲れていて田舎の駅でぼーっとしたかったからなんですがね.電車はモーター音をうならせながら筑豊の町の中を走り、永犬丸(えいのまる)、三ヶ森、土手ノ内、といかにもそれっぽい駅名をすぎながらいくつもの駅を過ぎてゆきます.前バイクで偶然たどり着いたあの駅は何処だったか、そう思いながら乗っておりました.

その駅は筑豊香月駅、そんなに人里はなれたところではないはずなんですが、廻りには何もありません.ただただ目の前には田んぼ、遠くを見ると次の楠橋駅の車庫が見えています.

なんだか時間が止まったような静かな駅です.この駅を起終点とするバスがあるのがどうも信じられないくらい.
架線柱は木製で、大きく傾いていました.開業時の?

一人のこして電車は走り去ってゆきました.どんどん遠くなってゆくのですが、どこまでもどこまでもその姿が見えるのです.西の国の夕日は傾きつつもなかなか落ちる気配を見せず、風は緑の田んぼ、まだみどりの麦の穂を揺らします.ぶらぶらと田んぼの中を歩き、20分ほどで楠橋駅へ.3連接車が昼寝中でした.