最後の刻、いよいよ

何回か書いてきましたが、西鉄宮地岳線の一部廃止までいよいよ一週間となりました.俺が幼少のときから一番慣れ親しんできた、思い入れのある路線ということでちょくちょく触れているわけですが、ようやく1週間ほど前に公式にこんなアナウンスが.


西日本鉄道(株)では、本年4月1日の宮地岳線の一部区間西鉄新宮〜津屋崎間、9.9km)廃止につきまして、関連行事の概要を決定いたしましたのでお知らせいたします。
 概要といたしましては、(1)3月19日より、車体をカッティングシートで装飾した記念電車を運行いたします。(2)西鉄新宮〜津屋崎間の運行最終日となる3月31日には、同区間に対する長年のご愛顧に感謝し、西鉄新宮〜津屋崎間を終日無料運賃にて営業いたします。(3)津屋崎駅発の最終電車となる24時20分発貝塚行き最終臨時電車の出発に先立ち、同日23時50分から、津屋崎駅にて「最終臨時電車 出発式」を行ないます。(4)3月19日から3月31日まで、宮地岳線全駅におきまして、今回廃止となる6駅の写真を入れた「記念乗車券」の発売を行ないます。
  また、4月1日には、9時00分より「津屋崎橋」バス停前におきまして、廃止後のバス路線「新宮〜津屋崎線(行先番号5番)」の出発式を行ないます。
ようやく2週間前になって発表、ってのもそんな感じなのかなあとか思うのですが、いや本当に廃止になっちゃうんだなあと改めて感じた次第です.
しかし、さよなら電車もカッティングシートというのになんか時代の流れを感じますね.そういえば、この前ぶらりと行った世田谷線、100周年記念とかで「花電車」が運行されているんですが、こちらもカッティングシートだとか.

なんだか、時代の流れを感じるなあ、と思うのです.さよなら電車、というとぼんやりと同じ西鉄電車の福岡市内線の一部廃止(1975)のときの花電車を覚えていますが、ただ造花と電飾がきれいで、でも夕方になるとさびしげだったのをなんとなく思い出しました.カッティングシートでも、大型プリンタから出てくる「さよなら」の文字でも送り出す気持ち、惜別の気持ちは変わらないんですけれどもね.

結局写真の整理も間に合いそうにありません.多分先月行ったのがおわかれになるのでしょう.残念ですが、オレが小学校のときからその姿をほとんど変えることなく今まで続いてきた、というのもまた凄い話で、確かに一つの使命が終わったといえるでしょう.いろんなブログや記事で取り上げられるようになって来ましたが、確かに沿線には住宅が多いんですが、この鉄道をつかって行く用事、というのがどうしても多くの人にはないというのも地元民としては紛れもない事実なのです.昔は、途中の福間、新宮、香椎と買い物ができる街がいくつかありました.駅前には商店街があって、行商のおばちゃんのリヤカーが並んで、どこも活気があったもんです.しかし、そういう街にあったスーパーはユニードダイエー壽屋、相次いで撤退して商店街も衰退、買い物は車で、という形になってしまっています.福岡の中心に行くにもJRに比べて高くて遅いし乗り換えも面倒、JRの駅まで自転車か車ですぐいける距離ですからね.本当に交通弱者の方と、通学の高校生くらいになってしまいました.昔は・・・、そういうのは簡単ですが、もう時代は変わってしまったのかもしれません.

だんだん桜のつぼみが膨らんできました.あと1週間、2週間もすれば満開になるでしょう.咲き始めた桜の下で、いくつかの鉄道が使命を終える、そんな日がもうすぐやってきます.
春は桜の下をゆっくりと、夏は新宮・古賀・福間・津屋崎と海水浴場を結び水着姿のまま子どもが乗ってくるような、そして秋は遠足に行く子どもで賑わい、冬は玄界灘から吹き付ける風に身をすくめながら走る、そんな小さな鉄道でした.


写真は去年の夏、宮地岳神社の参道から.この路をまっすぐ行って、松林の向こうが玄界灘になります.駅からちょっと距離があったけど、よく歩いていったなあ.

ああ、明日の今頃は 僕は汽車の中・・・

そんな気持ちで一杯なんですけれども.