世田谷線に乗ってきた

人の動きが代わってしまって使命を終えてゆく鉄道もあれば、昔のまま続いてゆく鉄道もあります.街の姿を映して走り続けていく姿をふと思い出しました.昨日のエントリでちょっと花電車に言及した東急の世田谷線、デジカメをあさってたら写真が出てきました.例によって銀塩はまだ現像していないのでいくつかですが.

 行ったのは、pasmoがサービスを開始した3月18日.巣鴨から三田線で神保町、本屋をぶらぶらして久しぶりに貨物時刻表なんかを査収して、そのまま半蔵門線三軒茶屋に向かいます.

 なんだか、コントラストが強い昼下がり.ひっそりとした街に赤い和服がなにか場違いで.

 神保町には古い標識が残っていました.つうかいつの電車ですのん.

 三軒茶屋の駅から地上に上がり、世田谷線の案内に沿って歩いていくとキャロットタワーの中に自然に繋がります.日曜午後なのにかなり行きかう人が多く、またキャロットタワーの中にスーパーやら本屋併設のTSUTAYAやらが入っていて多くの人でにぎわっているのを見ると、三軒茶屋自体の集客力もかなり凄いなあと思うのです.



とりあえず上ってみました.直下には三権茶屋の駅にむかう人なんかが見えます.こうしてみるとさすが軌道線、駅間が短いなあ、ちょっと走っては先の駅で止まっているのがよくわかります.それにしてもこのへんまでくると低層建築が多いのですが折り重なるようにぎっしりと詰まっているのを見ると、都会ってすごいなあと改めて思うのです.

三軒茶屋から午後遅い電車で下高井戸へ向かいますが、いつもけっこうな乗りですね.常に立ち客がいるくらいです.車両も駅もバリアフリー化がすすんでいて、ベビーカーとかでもそのまま乗り込めるのもあるのかもしれません.また、全線160円均一と他の鉄道線と連絡はないものの低廉な運賃も功を奏しているのでしょう.pasmoに先立って、2002年にはICカード乗車券を導入しています.こうしてみると都会の鉄道だなあと思うのです.今日からpasmoも使えるんですね、車内の運転席周りは運賃箱にカードリーダーが二つとなんだか大変なことになっていました.
電車はにぎやかにゆっくりと家々を掠めてすすみます.東京に出てきたばかりのような若い人、もう代々住んでいそうな人、外人さん、とにかくいろんな人が乗っているもので.こうしてみると鉄道って大量輸送機関なんだなあと改めて感じるのです.



電車も新しくなり、最新のシステムが入ってもそこそこにのこる昭和の香り.駅の屋根も、踏み切りのぼんやり光る電球色の矢印も、昔のまま・・・なんでしょう.そういえばこの線にはじめて乗ったのはもう15年ほど前、まだ旧型車が走り回っている頃でした.雨の降る平日の夕方、ニス塗りの旧型車の車内はどこかさびしげに暗く、それでも駅ごとに多くの乗客を乗せて走っていたのを覚えています.その役割は今も変わっていないようです.

田舎ほど変化のスピードって速いんですよね.そして根こそぎ持っていってしまうような気がします.
帰り、世田谷の駅前で豚マンを買って帰りました.店の名前は「鹿港」、AllAboutでも取り上げられていた人気店だったようです.そりゃうまいわけです.