上野ぶらぶら

昼から一人で上野公園方面へ.いやマジで小春日和、というよりも昨晩雨が降ったせいでしょうね、日差しが強いんですけれど.とりあえず、朝から洗濯を終わらせて爽快です.

山手線に乗り換えて昼過ぎの上野駅前に到着です.上野駅、半透明の波板張りの明るいホームから古くて低い駅構内をぐるぐるっとまわって
不忍口から出ると正面では見慣れた上野百貨店の建物が迎えてくれました.昭和24年、西郷さんの銅像のたつ上野公園の一部を削り取るように建てられた建物は古びていて、なんともいえない寂れ具合です.


上野にあまり来ることはないのですが、俺の上野のイメージといえばここ、理由は後述の通りですが、「なんか小便臭い町だなあ」と失礼ながら思ったその印象は今も変わっていません.右翼の宣伝車が大音響で君が代を鳴らしながら通りすぎ、電車はガードをやかましく走り去り、アメ横からはひっきりなしに呼び込みの声が聞こえてくる、なんだか何十年もそうだったんだろうなあ、と思わせる光景です.東京って意外とこういう風景があるんですよね.きれいなところだけではない、なにもかもが詰まっているのが巨大都市というものなんでしょうかね.

スクランブル交差点は人で溢れていますが年配の人も多く、なにか慌しくも時の流れが止まったような感じです.就職活動で某福岡の鉄道会社のセミナーが東京であったとき、京都から出てきてこの上野百貨店の一階にあった、今考えると怪しげな「観光・ビジネス旅館案内所」でビジネスホテルを紹介してもらったなあ、と懐かしく思い出されます.紹介されたのが鶯谷の、なんともいえないつぶれかかったようなビジネスホテルだったのがこれが又、懐かしく.そのころは鶯谷なんてなんの予備知識もなかったので古びたラブホ街だなんて全くしらなかったのですが、これがまたコンクリートの下町でなかなかのものでした.
さて、そんな上野百貨店ですが、一階の御土産物屋は撤退したものの2階の大衆食堂「聚楽」はまだ営業中のようで.

巨大なガラスケースにメニュー見本.昔ながらのちょっといい大衆食堂、といった風情でしょうか.すぐそばは上野駅、もしかしたら田舎から出てきた両親と食事とかそんな風景が目に浮かびます.
さて、わざわざ上野百貨店の中を通っていっているのは、建物の入り口に「上野公園 近道」と書いてあったからなんですが、階段を上っていくとぽん、とたしかに公園の目の前に出てきました.まあ上野駅自体が目の前なんで、正直近道になっていないような気がするんですが、明るい日差しに思わず目を細めます.

この「駅へ近道」というのもタイガイな入り口ですな.

出ると目の前には西郷さんの銅像.あんまりじっくり見たことはないのですが、いつもぐるっとひとが囲んでいて、で10人ほどはいつ行っても必ずカメラを向けている人がいるのです.ハチ公とかにカメラを向けている人ってまずいませんもんね、それだけ観光客とかがきているのか、田舎から出てきた人を呼び寄せる力があるのか.

見下ろすと、ビルがあって、アメ横の雑踏が見えて、JRの線路が向こうに.騒々しいけれど、これが「ふるさとの訛なつかし 停車場の人ごみの中に そを聴きにゆく」の、一番上のらしい風景なんだろうなあとも考えます.上野駅が東京の入り口、ということはもう殆どないですし、実際上野近辺に田舎からでてきて住居を構えるなんて現実的に殆どないと思うのですが、やはり何処までも広がる建物の波を見ているとやっぱり大きい街だなあとかいろいろ.

さて、上野公園も結構な人出でした.

不忍池方面、お堂は修復中で幕をかかっていますが.右奥の高いペンシルビルが先日移転・解体が決まった高級ホテルの「ソフィテル東京」.やっぱりこうしてみると目立ちますかね、景観を乱す、とか作られた当初はいろいろあったようですけれども、フランス系の高級ホテルだったとか.

これほどまでに細くて存在感のないのに違和感のある建物ってのもすごいと思います.全般的にバブルの頃か、このエッジが・・・
公園の中は、家族連れとかデートとか、おっちゃんが日向ぼっこしてたりまあいつもの上野公園.



ヽ(´ー`)ノ ターレーが、公園掃除のおいちゃんを載せて凄い勢いで走っていきました.しかも2台で.軽トラックよりも絵になるのですが・・・なぜにターレー?

もしかしたら昔上野駅構内を手荷物車引いて走っていたやつの払い下げだったり・・・するのかしらん.

で、ぶらぶら歩いていると


なんだかもう桜が咲いています.
園内にはこの一本だけでなく、何本かもう開花している桜があります.まあそれぞれの原因は木の病気だったりするんでしょうが、他の木もほとんどずいぶんつぼみが膨らんでいるんですよね.なんだかこのままだと、入学式はおろか卒業式どころでもなく、3月はじめくらいに開花してしまいそうな気がするんですけれども.地球温暖化、なんでしょうね.本当はもっと深刻であっていいのかもしれません.


さて、なんで上野公園に来たのかというと、

これを見に行ったわけなんですが.このへんは明日書くとして・・・

公演のそこここに小さな人だかりがあって、大道芸人がその中にいて遠くまで拍手が聞こえてきたりします.風船売りがいたり、焼き芋売りがいたり、公園内の小さな遊園地から子供の歓声が聞こえてきたり、いいなあ、公園.公園らしくていいなあ.街の真ん中にこんな公園があって、みんなどこから来ているのかなあとか思うわけです.福岡にも大濠公園とかあるけれど、京都だったらどこだろう、岡崎公園かなあ、こんなにいろんな愛され方をしている公園って他にないんじゃなかろうか?

博物館をでると夕焼けがきれいでした.