磐越西線狂想曲

sa-502006-11-04

あっという間に11月、今年も杠葉前線が降りてくる季節になりました。もう刈取の済んだ田圃の向こうに広がる黄色い山、あっという間に落ちていく黄色い光、なんともいえないような風景が広がるのが東北の秋です.一週間くらいそこにいたいんですけれどねえ、時間がないので日帰りなのは悲しいですが.

DD53といえば、いかにもクラシカルな箱型の大形DLです.除雪用として生を受けたものの、有り余るパワーは投雪しては沿線の住宅を破壊するほどだったとかいろんな話があって生産されたのは僅かに3号機まで、いま現役として残っているのはこの一台だけだとかなんだとかといった程度は自分でも知っていたんですが、なんだか写真になりそうな風景だなあと思ったのでとりあえず行って見た次第です。

 東京を夜半に出て、東北道から磐越道へ.道路温度表示は一桁前半をいったり来たりしています.実は冬も近いんですよね.夜が明けるころ会津某所へ、霧が出ていました.白々とあけてくる秋の早朝、息が白くなるくらいの気温、静かな夜明けなんですが、線路際で場所取りをしているものちらほら.一体何がそうさせるのか・・・

国道を進み、日出谷駅から山に入り、歩きで林道に分け入ること数十分.道に迷いながら、そしてau
GPSに助けられながら雨でしっとりとぬれた斜面を這い上がった先には、そんな線路際の喧騒とは無縁の静かな世界が広がっていました.この地方独特の赤いトタンで覆われた深い屋根が寄り添う集落、横を走る一筋のか細い線路、深い山の合間からようやく顔を出した朝日.静かな山間の風景です.

この斜面で待つこと数時間.下の方では線路際にだんだん人が増えてきたり、車が右往左往していたり.
こちらではこの場所を管理している常連さんと話が出来たり.いやあ有意義です.やがて、国鉄色を連ねた「ぐるっと磐越・只見」が行ってしまって、昼ごろにようやくDD53の引く客車列車が出現.