いるのかいらないのか、いろんな立場.

道路公団亡き後の高速道路ですが、上下分離式とかいろんな方法を駆使することで結果としたらあら不思議、整備網の概要が大体でてきたところあんまり変わらない、なんたることだ、というのが今日の某経済新聞の一面トップになっていました.


 高速道路の整備計画9342キロのほぼ全線の建設が固まった。政府の国土開発幹線自動車道建設会議は7日、国と地方の税金を使う無料高速道路を7区間123キロメートルで新たにつくることを決定。北側一雄国土交通相は月内に残る未開通区間1153キロメートルを民営化会社がつくる区間に指定する。道路関係公団民営化など高速道路改革が動き出したが、建設コストが削減できた程度で、改革は事実上骨抜きになった。
個人的にはいらない・・・んじゃないかなあ、とは思っているのですが、いろんな立場を一覧で見れるというのは面白いもんです.ぐぐってみたのがこっち.やっぱり第二東名関係が多いのかしら.

 無駄な道路を造らない、旧道路公団が抱える40兆円の負債を確実に返済するという目的で始まった高速道路改革の形骸化は、一昨年に道路公団改革の関連法が成立した時点で予想されていた。今回の国幹会議を経て、予定した高速道路をすべて建設するという計画が進むのは、半ば当然ともいえる。(略)
 形のうえでは「自主性を尊重」した手続きを踏んでいるわけである。たとえ民営化会社が拒否しても、改めて審議会にかけて必要だという結論が出れば、国交相は建設を会社に命じることができる。
 もともと旧道路公団を改組するとき上下分離方式にして、道路資産は独立行政法人の機構が保有し、民営化会社は運営と建設、保全などを担当するにすぎない形になっている。利益を残さない仕組みのうえに、建設した道路は機構が引き取る。資産を持ち利潤動機が働く民間会社とは違い、効率を高めなければならないという圧力がかからない。
 すでに人口減少が始まっているのに、高速道路を予定通り建設して、旧公団が残した巨額の負債を果たして完済できるのか。「45年」も先のことだからでは困る。
民営化したらコスト意識が出来る、だからとりあえずは赤字にならない、国民負担にもならないと自信満々ですが、たしかに道路財政が危機的な状況にあるという前提に立つと正論ですねえ、いつ聞いても.たしかに道路公団の民営化のこのプロセスはあまりにもよくわからん、ってのはありますけどね.確かに今後人口が減少していくことは避けられない、今のうちに公共事業を縮小し、人の住む範囲自体をコンパクトにしていこうという考えからいってもまあもっとも.
ただ地方の新聞もまた面白いですね.小学校のころから、社会の授業で使う壁掛けの大きな九州地図には、九州を南北に、左端に赤い実線、右端に赤い点線が引いてありました.点線、東九州縦貫道ですね.今でもほとんど影も形もない高速道路なんですが、一応作り続けられています.

 東九州自動車道の宇佐―椎田間と佐伯―蒲江間の整備手法が決まり、沿線の自治体は早くも企業誘致の促進や産業振興など高速道路の波及効果に期待している。
 ダイハツ車体が立地し、関連企業の進出が期待される中津市。新貝正勝市長は「市民が待ち望んでいたことで、心から喜びたい。企業からも強い要請がある」と歓迎。宇佐市の時枝正昭市長も「宇佐神宮や農村観光が盛んな地域に人を呼び込みやすくなる」と早期開通に期待する。両市は庁内に建設を推進するための室や班を設置し、用地取得に万全の態勢で臨む。
 市内区間新直轄方式で整備される佐伯市。西嶋泰義市長は「通行料金がかからず、地域の生活道路としても利用できる。豊富な水産物の流通もしやすくなり、地域活性化への効果は計り知れない」と話す。
 住民団体自治体と連携して早期着工に向けた運動を展開してきた。「蒲江道づくりを考える女性の会」の冨高かをる会長は「救急患者の移送や災害発生時の孤立地域の解消に役立つ」と喜び、「町おこしに力を入れていかないと」と気を引き締める。
 また、県グリーンツーリズム研究会の宮田静一会長(宇佐市)は「北九州など大都市との距離感がさらに縮まることで、都市と農村の交流がさらに進む環境が整う。修学旅行の受け入れなどが、県全体でも増えてくれれば」と期待している。
まあ東九州というより北九州に近いような場所なんですけど、えらい熱の入れようですねえ.今都会に住んで、そのメリットを享受している俺には何もいう資格はないんですが、はたして本当にそうなのかなあ、と思います.経済合理性以外の理由で整備して無料で供する新直轄方式って便利だからなあ、ある程度の整備は必要だと思うんですけどね.なんか新しい手法のようですけどこうしたバイパスって全国いたるところにあるよなあ、でもその結果なんらかの効果ってあげているんでしょうかね.もちろん定量的に推し量るは難しそうですけど.

 ◆解説◆東九州道の宇佐―椎田間(有料道路)と佐伯―蒲江間(新直轄)の整備手法が決まったことで、県内区間(百九キロ)は全線開通に向け、大きく前進した。沿線自治体では、企業誘致や観光交流の促進などへの期待が高まっている。
 しかし、東九州自動車道全体で開通しているのは、他の道路との共用部分を含めてわずか31%。全線が開通し、九州自動車道とともに九州に循環型の高速ネットワークが完成することで初めて整備効果を発揮できる。早期の全線開通に向けて、沿線の自治体や経済界は今後も声を上げていかなければならない。
 今回の決定で、県内の新直轄区間は佐伯―宮崎県境間の約三十キロとなる。新直轄方式では原則として県が事業費の四分の一を負担するが、過疎地域への優遇措置などで実際の負担は10%前後に軽減される見通し。しかし、開通時期が遅れれば、それだけコストがかさみ地元負担は増える。用地買収など条件整備に向けて県と沿線自治体ががっちりスクラムを組むと同時に、今まで以上の熱意を持って国に早期完成を訴えていく必要がある。
 また県全体が浮揚するためには大分自動車道との接続も急ぐ必要がある。二本の高速道路を結ぶ中津日田道路や、中九州横断自動車道(大分市熊本市間)が完成すれば、内陸部への企業誘致など波及効果は飛躍的に高まる。官民挙げての一層の取り組みが求められている。