佐賀の町からまた一つ

sa-502006-01-30

ふとこんな記事に目が留まりました.


 風営適正化法などに基づき、佐賀市松原二丁目のストリップ劇場「DXさが」の営業廃止命令を検討している県公安委員会は三十一日、同劇場の経営者から意見を聞く聴聞会を開く。聴聞後、営業廃止命令を出す見込みで、廃業となれば県内のストリップ劇場は嬉野市の一軒のみとなる。
 DXさがの経営者らが昨年十二月、売春防止法違反などの罪で有罪判決を受けたことで、行政処分の対象となり、佐賀署が昨年末、県公安委に廃業処分を上申していた。
 同委員会は、聴聞会で経営者の意見を聞き、二月八日の委員会で結論を出す予定。経営者は廃業の意向を示しており、廃業命令を出す可能性が高いという。
 風営適正化法などは、学校や病院の周囲二百メートル以内では、風俗店の営業を禁止している。同劇場の周囲にも幼稚園や病院があり、本来は営業できないが、同劇場は同法が改正された一九八五年以前に営業していたため、既得権が認められていた。
いやストリップ劇場って行ったことはないし、そんなに行きたいわけでもないんですけどね.なんか過去のもの、ってイメージですよね.福岡にもDX中州、とかあったし、京都だったらDX東寺ですか.どっちかっていうと今更かよ、というネタ的な感じがする世代なんですが、こうして町の姿が変わっていくんだなあとふと感じた次第です.
直接の理由は上記の通り、経営者の犯罪行為に対する行政処分であって、今の立地状況がどうとかは関係ない話のようです.もちろん、学校とかがあるところにそういう施設はどうかというのはよく分かりますし、たとえばその地域に新たに住みたいか、といわれると躊躇すると思います.でも、その前からおそらく劇場があったり飲み屋があったり、ちょっといかがわしい感じのものがあったりそういう盛り場だったはずです.松原二丁目、というと地図ではこのへんでしょうか.まさしく旧市街地の繁華街、すぐ南にはお城、行政機関の集積地、すぐ北にはデパートの玉屋、銀行が立ち並んでたり、佐賀の鎮守の佐嘉神社があるわけです.しかし、佐賀の町の姿は大きく変わってしまい、取り残されてしまったのでしょう.

■再開発のめど立たず 佐嘉神社西側一帯
 ストリップ劇場「DXさが」がある佐嘉神社西側一帯は、飲食店の廃業や度重なる火災で空き地が点在し、虫食い状態となっている。DXが廃業すれば、さらに空洞化が進むとみられるが、再開発のめどは全く立っていない。
 一帯は「松原親和通り」「楽天町」「松原マーケット」と呼ばれ、高度経済成長期のころまで、商店や飲食店が並び、活気があった。しかし、経営者の高齢化や不況で百店以上あった飲食店の半数以上が閉店。さらに二〇〇三年九月や〇五年七月の大火で廃業に拍車がかかり、現在は二十―三十店舗になっている。

 一帯の土地は、佐嘉神社と財団法人鍋島報效会が所有。終戦直後、地区にあった松原公園に住み着いた引き揚げ者を受け入れたのをきっかけに、繁華街に発展したという。

個人的なことですが、祖父母がともに佐賀の旧市街の出なので、何度か行くのですが本当にさびしい町になってしまいました.町、という形をすでに成してないんじゃないか、と思うこともあります.もともと昭和のおわりくらいから、佐賀市は求心力が弱く、狭い旧市街地の消費に頼っている形だったのですが、郊外に大型店がぞくぞくと出来るにつれてなおさら寂れてしまったようです.まあ今は日本中どこの都市でも同じなんですけどね.そういえばあっというまに破綻した商業施設の再開発ビル、エスプラッツもこのあたりだったかなあ.ぐぐってみると、まだ商業床があったころのウェブサイトが真っ先に出てきました.なんでやねん、もう商業床閉鎖から数年たっていると思うんですが・・・それだけ動きがない、ということですよね。町全体に活気が失われているのは確かでしょう.

 鍋島報效会は「治安の面からも再開発に取り組みたいが、店に支払う立ち退き料などがない」と説明。佐賀商工会議所などは「周辺緑地推進期成会」を結成し、一帯を公園整備することを提案しているが、鍋島報效会は「私たちには何の提案もない。今の状態のままで行くしかない」としている。
ただ、旧市街地に人が住んでいないかというとそういうわけではありませんし、密着した商売が行われてきたところ、小さな形ではあっても身の丈にあった町になるといいなあと思っています.街の真ん中に緑地があるというのは魅力的ですが、そこで憩うべき人の姿が見える再開発があって、地元の人がそこで生活することのできる姿が一番いいんでしょうね。
しかし、こういうところの人ってどこにのみに行ったりするのかなあ.まさか福岡・・・?