いや、これは芸術だ。

sa-502004-09-13

ちょっと前のニュースだが、気になったのでここで。


 調べでは、二宮容疑者は5月から9月までの間、自宅でパソコンやスキャナーを使い、千円札の中央部を複写したものに、本物の千円札の上下両端を切り取ってテープで張り付け、214枚を偽造、うち10枚を自販機で使用した疑い。
 本物の千円札1枚から偽千円札1枚をつくる手口で、つくっても利益が出ないことから、県警は犯行の動機などの点からも捜査していた。
ふとこのニュースを見て、赤瀬川源平の「千円札裁判」を思い出した。千円札を精密に、実物大に模写した作品が「通貨および証券模造取締法違反」に問われ、有罪となったアレだ。何に惹かれたのか高校のときやたらと赤瀬川氏の本を読み漁ったのだが、今でもリアルに見たときの感動は忘れられん。形は違うが、通貨の形をしたものを、いったんその形態から切り離しつつ、通貨としての意味をもたせる。しかもその社会的価値は、形を変えても増えも減りもしていないこの男の偽札、これを芸術作品と呼ばずして・・・・
 ・・・でも安直過ぎるなあ。単なるデータ集め?間違えただけ?そんなところなんだろうけどさ。

なお、赤瀬川源平といえば超芸術トマソントマソン、といえば、表紙になっていたビルに沈む(予定の)無用煙突。おそらく、あたりの住民が立ち退いてしまったあとも風呂屋の跡にぽつんと立っていた煙突があった場所は、今のアークヒルズに当たるという。会社の窓から立ち並んでいる高層ビル群の下には、昔ながらの木造家屋の続く街並みがあったんだな、と考える。