夏の小串

鯖釣山に登ったところで昼を過ぎたので、国道ではなく海岸沿いをたどりながら帰路に着きます。山口県の西の端、本州の西の端に近い小さな港町。
海、港の道、旧街道、鉄道、国道、と平行して走っている、昔ながらの小さな町です。そして、もう20年も前になるかな、西日本を自転車で横断しながら走った道。

夏の日差しは土蔵の白壁にまぶしく、花が揺れます。

港には、木造の味のある漁協の建物が建っていました。休みだからか人影もなく、水揚げのアルバイト募集のチラシがゆれています。

車が時々通るのですが、この時間はそれ以外はひっそりと。港から、いくばくかの町が広がっていて、おすし屋さん、お米屋さん、そして立派な旅館と連なっています。が、そこにあるのは古びて日に焼けた看板ばかり。
昔のメインストリートは、車が通るにも狭く、今は逆にひっそりとしています。灯火をはずされ、役目を終えた街路灯の行灯が寂しげに両側に残っています。

中ほどに、閉店したスーパーマーケット。コンビニ並みに狭い間口の店内、昔はよろづや的な使われ方だったんだろうか、と思いをはせます。
そういえばここで夕食買ったような気がするなあ、とふと。


どこにでもある田舎の港の風景なのでした。