久留米のはなし、まだ続き

 さてまだ久留米の話は続きます。久留米の中心市街地というのは繁華街で、大型店と大型店をつなぐ商店街が縦横に発達しいろんな世代の人が集まる場所だったんですけれども、郊外に次々とショッピングセンターが出来、ファミリー向きの店から街から消えていってしまいました。そして若者向けの店。昔ながらの食料品などを扱う店はもともと少なく、市内にやたらとあったダイエーの大型GMSをはじめスーパーマーケットなどがその役割を担っていたというのですが、そういう店が郊外のSCに勝てるわけもなく、結局あまたの空き店舗だけが残った、という構図だ、と考えています。日本全国でよくある話なのかもしれませんが、久留米ってなんか特別な若者向けの雰囲気とか文化があったように思っていただけに、久しぶりに見た久留米の風景というのはショックでした。
久留米の街も高齢化が進んでいるといいます。街全体の構造が変わり、商売の仕方も変わっていく。当たり前だけれどもまずできないことですよねえ、とか常々思うのです。勤め人なら、自分の会社の方針に従ってゆけばいい。でも店とかでいきなり客層を変えろって言われてもねえ・・・というのが正直なところでしょうかね。商売人の力をどう生かして、どう商売人を集めていくのか、多分役所とかではできないんでしょうが街自体がひとつの意思を持ったような形が必要なんでしょうかね。


 「みんな商売人やから、安く仕入れるこつは知ってる」と、堀川泰史・同商店街振興組合理事長(53)。ただ、もうけはない。次回の商品仕入れに充てる原資が回収できるだけの、ぎりぎりの安さで売るからだ。
 「町営百貨店はあくまで商店街に足を運んでもらうきっかけづくり。あとは各店が自分とこに引き入れる工夫をせんとね」。堀川さんは笑う。
 商売人魂に触れ、「なるほど」と、うなずくつぼ原人の前に並ぶ野菜は10種類。ナスとキャベツは2つで100円。キュウリは5つ100円、ピーマンと玉ネギは7つ100円…。ほとんどの客が店番のつぼ原人よりも値段に驚く。
 つぼ原人も負けじと「これも安かよ」「おかあさん、また来てよ」と接客上手な一面を見せる。実は前夜に郊外の大型商業施設を視察。あまりの人の多さに「商店街に人を呼び戻せるのか」と再び落ち込んでいたつぼ原人だが、客とのやりとりを通して笑顔が戻った。
 この日は商店街の旭屋精肉店の吉岡優一君(11)、皇二君(9つ)兄弟と、山中果実店の山中淳靖(よしやす)君(9つ)も店番をお手伝い。つぼ原人は「家庭的雰囲気は商店街ならでは。お客さんとの距離も近い。この温かさを失いたくないね」と、優しいまなざしを向けていた。(略)

  • メモ

 久留米市の中心商店街は業種構成の偏りが課題の1つ。4月現在、最も構成比が大きいのは飲食(30%)で昨年同期比2.3ポイント増。2番手はアパレル(18.5%)だが、同3.1ポイント減と減少傾向にある。地域住民のニーズが高い食品(7.9%)や日用雑貨(1.3%)は低水準。調査した同市中心市街地活性化協議会の入江雅春さんは「食品、日用雑貨を20%台にするのが目標」という。

あ、あと第4回はこちら。

面白そうなことをやってみる、きっと郊外SCだと、だれかが(会社が)考えた面白そうなことに乗ってみる、というだけになってしまうんでしょうけれども。それが街で時間をつぶす、ということなんですよね、きっと。