ちょっと寄り道

福岡県の南のほうまで夕方から出張。やっぱり話すなら現場の人とだよなあ、とかいう会議の後開放。さて、明日は休みだ、まっすぐ帰るのもなんだ。しかし、飲んで帰るのも(一人だし)もっとなんだ。

時刻表を繰っていると、急げば乗換えを経て原田発21:23、桂川行の最終に間に合いそうだ。缶ビールでも飲みながら筑豊旧線というのも結構乙ではないか。そう思いながら急いで最寄の西鉄大牟田線の駅へ。ここから急行。

・・・いや、乗り間違えて普通に乗ってしまったので間に合わず、そのまま福岡駅へ。ちょっと小旅行を楽しんで帰るとしようか。

天神から西鉄バスで、博多埠頭へ。ベイサイドプレイス、というこじゃれた名前になっていて、飲食店などがデッキに広がっているが個人的には「博多埠頭入口・市民図書館前」のほうがなじみが深い。本当に港、って感じの小さな船着場と入場無料のタワー、市民図書館しかなかったよなあ。

とはいえ、このベイサイドプレイス、元福岡市出資の3セクで、お約束どおり一度経営破たんしているんだけれどね。そのあと九電工に売却されているが、現状はどうなんだろう、交通アクセスの悪さと周囲の開発の進まなさは昔どおりだ。

フロアマップの「改装中」がさびしいぞ。

さすがに深夜だとピントも手ぶれも厳しいですね、左が屋内スノボ施設の「ビッグエア福岡」、奥が昔のままに残る壱岐対馬方面へのフェリー乗り場の入る第2ターミナル、奥からがんがん荷積みの音が聞こえてくる。こっちのほうをきれいにしたほうがよかったんじゃないか?

そんなことを考えながら、ターミナルへ。

切符売り場。ここからは福岡市営渡船玄界島航路と志賀島航路、安田産業汽船海ノ中道航路が出ている。海ノ中道の水族館をはじめとした方面へのお客さんは安田産業汽船に取られているらしく、売り場の横にはべたべたと「海ノ中道海浜公園へはうみなかライン(安田産業)が満員でも志賀島行きでいけます(要約)」とか貼ってある。あれ、市営渡船ってなんで海ノ中道線から撤退したんだっけ?

ちなみに乗車券はA軟券、JRだと博多駅から西戸崎まで450円、約40分。価格は若干高いが、乗ってしまえば時間は半分以下、特異な地形だよなあ、とも思うのだ。もう少し都心からの連絡がよかったら、ともおもうがついた先の西戸崎、たいした住宅開発はできない訳で、そういう形で昔ながらのこの形態が残っているのかもしれない。

とはいえ、船は新しいですな。

最終は22時ちょうど発の志賀島行き、三々五々と地元の人であろうお客さんが乗り込んでいく。全体では20人強といったところか、まあこれだけでは採算はとれんでしょうなあ、でも雰囲気はバスや電車の最終といった感じ。最終を告げるアナウンスの後はひときわ長くベルがなり、すぐに出港した。

西戸崎までは20分足らず、福岡中心部の明かりを後ろに見ながら船は進む。非日常のようで日常、そんな感覚がええんかなあ、と煙草をふかしながらゆっくり考える。考え事をするにはちょうどいい時間だ。