西友の例の施策の話

これまでの出店競争で、小売業界もかなり厳しい状況が続いているというのはよく言われることだが、先週ちょっとビックリしたのが西友のこの施策。福岡では、子会社のサニーが同様の施策を始めるということで、ローカルの情報番組などではけっこう取り上げられていた様子。

で、西友のリリースより。


株式会社西友は、従来から進めてきた「EDLP(エブリデイ・ロープライス)化」を軸とする価格引下げの取組みにより、数多くの商品カテゴリーで他店を上回る安さを実現してきました。このほど、徹底した低価格路線の加速を更に明確に打出すために、お客様への“マニフェスト”「地域でいちばん安いお店をめざします」を宣言します。
(略)
西友は、これまでの低価格化への取組みを踏まえ、今後、お客様への“マニフェスト”「地域でいちばん安いお店をめざします」を着実に履行するために、以下を実施していく方針です。
1.EDLP 対象品目の拡大、海外調達の拡充などを通じた継続的な価格引下げ:(略)
2.全社的なコスト削減による「値下げ原資」の確保:
西友は、低価格路線を支える低コストの事業構造への転換を図るべく、これまでにも、システム統合やEDLP 化などを通じた業務の効率化を推進してきました。店舗及び本部組織の簡素化、チラシ配布回数の削減、物流プロセスの合理化、商品の自動補充の拡大などを通じて、売上高に占める経費(販売費及び一般管理費)の比率は、前年度に比べて2%近く減少しています。
また、ウォルマートサステナビリティ目標に沿って、店舗及び物流段階での省エネルギー、容器包装の削減などを進めており、これらを含めた総合的なコスト低減努力を継続していきます。2007 年度中だけで、プライベート・ブランド商品と生鮮食品に使用される容器包装の約4%にあたる245 トンの削減を達成するなど、着実に成果を積み重ねています。
3.「他社チラシ価格照合」制度の導入:
競合他店のチラシ広告商品が西友の店頭価格より安い場合でも、お客様が常時「地域でいちばん安い」価格で安心してお買物できるように、お客様が持参した当該チラシ価格に値段を合わせて販売する制度(「他社チラシ価格照合」制度)を導入します。酒類、惣菜、ISB(イン・ストア・ベーカリー)、専門店(テナント)取扱商品などの除外商品以外のほぼ全ての商品を対象とし、12 月4 日から西友の全店舗で実施します。
上記記事にもあるとおり、カテゴリーキラーや専門ディスカウント店が台頭してきた今日のスーパー、特にGMSでは聞いたことがない施策でちょっとびっくり。確かに、世界最大の物流を誇るウォルマートの理屈では、スケールメリットを生かして・・・最安値での仕入れが出来るということになるんだろうけれども。ただ、電気専門店や他社のGMSには勝てそうな気がするが(電気専門店なんて競合商品自体が少ないしね)、日本では地元密着の小さなスーパーマーケットやディスカウントストアが地元商材を中心にビックリするような安値で広告に乗せてくるわけで、そこに対抗するのは難しいんじゃ?と思うんだが。地方のこういう店は地元商材を中心に低価格をうちだし、チラシではNBに安値をつけてさらに訴求するというのが多いようだ。われわれ消費者もその辺をわかって、多分「ここが一番安い」という使い方をするわけで、そういう店にどう対抗していくのかなあ、to
も思うのだ。
 ただ、実際のところ「他店のチラシ価格以上には安くならない」=「そのほかの商品も安い、とかでないと西友にいくメリットはない」訳だから、さらに「レジでチラシを出して依頼する」よりは、ほかの安い店に流れるだろうから実際には宣伝効果、ということなんだろうなあ、と思う。一回レジでどれくらいそうやっているお客さんがいるか見てみようかな。
ブログで検索してみると、やはり「私がはじめてだった」という方もおられる様子。

(略)
多少戸惑ったようだけど、「えーっと、ジャスコさんで、今日の日付けですね」と確認。
(この安い価格は、ジャスコの今日の日替わり商品だったから)
(略)
ざっと見渡しても、他社のチラシ持参で会計してるお客さんなんて私だけだった・・
みんな知らないのかなぁ。
絶対この制度良いと思うのに。
(ちょっとレジで恥ずかしいけど・・)
それにしても、西友も思い切ったこと始めたね。いつまで続くかな・・って思うけど。
(後略)
西友は10月に20店舗の閉鎖と正社員350人の希望退職を募集している。

 流通業界では、約20の不採算店舗の閉鎖を進めている西友が350人以上の希望退職を募集し11月中に実施した。詳細は明らかにしていないが、主に店舗の従業員が対象だったという。
店を絞り人を絞って、小さな筋肉質の会社を目指す・・・ということだろうか。消費者としては安ければいい、というところもあるんだけれどもね。