旦過市場・夜


さて、小倉にきて旦過を見たかったのはこの記事を見たからでもある。

あのデイリーポータルZ旦過市場だ。写真が超素敵、素敵過ぎる。
福岡に来て半年、これまで行かなかったことが悔やまれる。ましてや再開発の話もあるというではないか。


旦過市場の再開発構想が明らかになった。再開発の区域は魚町4丁目の1万5000平米。ここに商店が入居する2階建ての低層棟、賃貸事務所と分譲マンションからなる約30階建ての高層棟、数百台収容を想定した駐車場の3棟を建設する。延床面積は4〜5万平米。全体は城下町を主題とした外観で統一する。
2002年内に北九州市の都市計画を受け、2003年に再開発組合を設立、2004年度に着工、2007年の完成を目指す。
同市場は戦後の混乱期に成立、約200店が軒を連ねる。
この再開発計画は土地の権利関係など様々な要因が解決できず、「事実上頓挫している状況である」とWikipediaなどでも書かれている(参考)が、小倉地区の中心市街地活性化基本計画によれば、改めて平成24年までの間で実施することになっている。

  • 事業名:旦過第一地区市街地再開発事業
  • 内容:旦過市場の再整備
  • 位置:北九州市小倉北区魚町4丁目
  • 地区面積:1.5ha
  • 実施時期:H21〜24 年度
  • 実施主体:旦過第一地区市街地再開発組合( 予定)
  • 目標達成のための位置付け及び必要性

吸引力のある集客核づくりの施策に位置付けられる事業であり、市民の台所として長年親しまれ日常生活に欠くことのできない旦過市場を整備し、老朽化した木造建築物等の建替えや新たな市場の建設による建物の不燃化や神嶽川の整備により、街の魅力をさらに高め、賑わいの向上を図る。
この効果としては、旦過市場が再生し、既存の商店街、集客施設とが一体となり、吸引力のある集客核づくりが進められる事が、来街者を惹きつけることから、広域商業拠点の賑わいの向上に必要な事業である。

どうにも難解な文章(´・ω・`)ですなあ。しかし、この中心市街地活性化基本計画は国の認定を受け、数値目標も設定されていることから今後事業が進んでいくんだろうと思われるところ。

さて、そんな旦過市場。時刻は20時前、駅を降りると車ばかりが
行過ぎる幹線道路、その向こうにぽっかりとアーケードの入り口が口をあけていた。吸い込まれるように足を踏み入れる。

両側に店が密集し、のぼりが、看板が頭上を覆い、その上にはアーケード。
通路以外のあかりは落とされ、ひっそりとまた明日に向かって市場は眠りについていた。なんだか懐かしい感じがする。ただ明日に向かってひっそりと眠る看板や商品。
スーパーマーケットに勤めていた頃、閉店後、常夜灯に落とされた売り場の中ってこんな感じだったなあ。

段々通路が狭くなる。残念ながら上記、デイリーポータルZのサイトにあった袋小路のようになっている部分は、入り口にシャッターが既に降りていた。向こうのほうで明かりが漏れ、人が動いているのが見える。閉店作業中なんだろう。

その先にはアーケード内の分岐が。角にある「大学堂」なる建物は、北九州大学の学生と大学による共同事業ということ。

さらに先へ。



こうしてみると市民の台所、市場、という言葉がぴったり来るような場所だ。雑貨店なども魚町側にはぽつぽつ見られるが大部分は歴史のありそうな食料品を扱う店が占めている。くじら、とか、馬肉、とかなかなか見られない専門店も点在している。今度は年末、賑わっている姿が是非みたい。
こういう商店街が再開発されて、にぎわいを保ってられるのだろうか。確かに建築基準法に準拠していない、という現状は改善されるべきだし、安全は何物にもかえがたい。しかし、たとえば再開発ビルで市場が立体化することに対する不安、またビルに入るときの資金の問題、いろんな問題がぱっと考えただけでも、単なる消費者で傍観者に過ぎない俺でも思うわけで、どうにかそのあたりをクリアした上での解決を望むものだ。ていうか、立派な観光資源になりそうな気がするんだが。

市場の一番はじは果物屋だった。軒先の電球がまぶしく光る。やっぱり商店街の端は果物屋じゃないと