嶋原商店街

ちょっと時間がたったが、京都は嶋原商店街。先週末京都に行ったときの宿がまさしくこの商店街の中だった。宿、というか、商店街の中のペンシル型の古いマンションのような建物だ。そういえば、大学受験のとき、2年目に旅行会社のパックなどを使わないで安く上げるために泊まった宿がこれにそっくりだったなあ。鞍馬口駅近くから大学まで歩いていったっけ。

そんな宿があるような街の中だ。京都の商店街、というの錦市場とかにぎわっているイメージがあるが、ここは本当に旧市街の中に取り残されたようにひっそりとしている。

少し下の七条の5つの商店街と「ほいっと七条」というグループを組んでいるのだが、その中でも地味だ。正直、商店街という形もしくは組織を維持していくのも難しい状況なのかなあ、と思わなくもない。
しかし、宿に着いたのは夕日が町屋に落ちようとしている5時前。木造の煙草屋があり、そのむこうでは駄菓子屋に子供たちが何人かたかっている。豆腐屋さん、饅頭やさん、和菓子やさん、それぞれ古い目立たない店だが、ちょっと覗き込むと奥は長い土間になっていて、年代モノの製造機械が鈍く光っている。こうしてみるとなんだろう、単にお店にいって買うだけの行為なんだけれども、その向こうにあるものが近いなあ、と思うのだ。

大宮通から曲がって(西入ル)くるとこの煙草屋さん。「タバコ」「でんわでんぽう」という看板が似合いそうな建物にくらくらする。

お茶屋さん。京都だからね。

ビルに立て替わっているのだが、一階の食堂が素敵だ。

俺が学生だった10年前は、ようやくコンビニというものが増えてきたころで、まだお菓子を買うのはこういう雑貨やというかなんというか、だったが、どうやら今でもそうらしい。時の流れがおだやかだ。


化粧品屋さん。いいなあ、この造形。


で、最初の煙草屋さんとかふたたび。木造三階建ての断面がまた。

ちなみに、この商店街「京都最古の商店街」だとかそうでないとか。場所が嶋原だけに、それもありうるような気がする。
嶋原は、江戸時代は栄華を極めた花街でありながら、場所の中途半端さゆえにそれ以降は格式はのこりつつも時代の流れに取り残されてしまった街だという。そんな歴史を引きずっているように見えてくる、静かな商店街。