土橋商店街

まだまだ八女.
土橋商店街に向かって歩いている途中、空き店舗が増えてきた一角、クリーニング屋の隣に異様な建物が。

来る前に、「土橋商店街には木造のアーケードがあって」と聞いていたのはこれだろう、ようやく今日の目的地に到着。アーケードの中を覗き込むとひっそりとしている。


こちらが反対側、旧R3に面したほうのエントランス。中はずいぶん朽ちて天井が落ちているが、エントランスはしっかりと残っている。オール木造の「土橋商店街」の文字、その上の格子模様が美しい。


内側にうっすらと残る文字は・・・?

かなり廃墟然としているが、一応現役のアーケード、になるのかな。アーケード自体はせいぜい100mほどの小さなものだが、途中でL字型に直角に曲がっているので見通しは聞かない。


旧国道を渡って少し先の路地裏には今度は「土橋市場」なるアーケードが存在する。これまた見落としそうな狭い間口のアーケードだが、こっちは飲み屋街になっているようだ。

ここからは福島の交差点に向かうべく、旧R3を北上する。国道の両側に店舗が並んで、土橋商店街ということになっているのだが、例によってほとんど開いている店がなく、見事なシャッター通りになっている。一応商店街の買い物客用の駐車場はあるのだが、旧城下町でクランクなどの道を残している旧市街には車での買い物客なんて来ることが考えにくいわけで、そんな状態が続いて今はもう店がない、ということで、駐車場もただむなしく空き地として存在しているようなものだろう。


歩道もなく、正直歩きづらい。ただ全く店もないわけではないが・・・

ということで、八女の中心市街地をぐるっと一周して来た訳だが、昔栄えていた様子を示すものがそのままずいぶん放置されて残っているなあ、というのが感想だった。白壁と土蔵の町並みのように保存に向けて動き出し、立派なものもあるが、まだまだ特に土橋商店街のアーケードなんて昭和20年代の建築がそのまま、内部はともかく外観はきれいに残っている稀有な例じゃないかと思うのだ。
八女市のウェブサイト曰く


中心市街地において、中心商店街と伝統的町並み地区をどう連携させて中心市街地全体の賑わいづくりをいかに進めていくかも課題である。
 どんなまちづくり資源があるかというと、土橋町内には、土橋八幡宮境内に「土橋市場」がある。戦後、台湾から引き上げた人たちが境内に市場を始めたのが始まりで、いろんな店が集まる土橋市場へと発展し、華やかりし頃は八女地区で一番の飲み屋街であった。現在は、空き店も増え寂しい飲み屋街なっている。また、通をへだてて近くに堂々とした「木造アーケード」の旧土橋商店街がある。昭和20年代に土橋銀座と呼ばれ大変賑わったそうであるが、今は、やはり寂しい状況になっている。
 さらに、国道442号と旧国道3号沿いに明治後期から昭和40年代まで、八女の繁栄の記憶を残している中心商店街がある。現在は、シャッター通りと揶揄されるように社会の変化の中に取り残されている状況にある。しかし、当時の繁栄を偲ばせる存在感ある建築物が点在し、大正時代や昭和初期のアールヌーボーアールデコの影響を受けた洋風建築をはじめ、色々な伝統的な建築物が残っている。したがって、中心商店街も伝統的町並み地区と連携した歴史的市街地の景観形成を誘導する中で、八女福島固有の商店街の「みせなみ」景観をつくりだし、個店個店の努力と有機的に結合させていく展望を描きながら、賑わいづくりを進めていくことも重要なファクターではないだろうか。そのような方向性を商店街の人たちと共有することがスタートである。
うーん、ポテンシャルはありそうな、面白そうな街だった。まあ商店街巡りなんて一般受けはなかなかしないだろうが、あるハードに最小限の手を入れた上で、街に対する想いをどうやって見せていくか、そうしたら観光地としていけるんじゃないかなあ、とも思うんだけれども。東京近郊と違って大きな集客などは望めないけれども、豊後高田の例もあるからねえ。