松電バスはどこへいく?

松電が事実上の倒産、金融機関の管理下に陥った、というのは以前書いたとおりだが、経営再建のために持株会社を設立、というニュース。ちなみに持株会社、というと前の職場の会社でも以前存在したというが、結局統合効果を出すどころか創業者の資産管理専門になってしまっていつの間にかなくなってしまった。株式を集約してグループのシナジー効果をどう出すのか、ということだと、持株会社がどうやってグループを一体のものとして資源の有効配分をしていくか、ということになるんだが、どこまで出来るの?という気がしないわけでもない。


 多額の債務超過で金融機関から約173億円の金融支援を受けるアルピコグループ松本市)の経営再建をめぐり、グループ全体を統括する持ち株会社アルピコホールディングスが1日、設立された。グループ各社の本部機能が集約され、投資管理の強化や人事交流などが図られる。
 グループ中核の松本電鉄(同)取締役が、持ち株会社の取締役に就任。松本電鉄やスーパーのアップルランド(同)など、グループ26社がアルピコホールディングスの傘下となる。
 今後、子会社が親会社の株式を持つなどしていたグループ各社の複雑な株式の持ち合い関係の整理、解消を進め、各社を完全子会社化する。統合を予定している松本電鉄諏訪バス茅野市)、川中島バス長野市)の3社などは引き続き組織再編を進める。
ま、人事交流から、ということだが、事業としてどう相乗効果をだしていくんかなあ。単に不採算事業から採算事業への人の移し変えにならないことを祈るばかり。で、こうやって持株会社によるグループ統合と再建を目指すに当たってやはり不採算事業からの撤退ということになるんだが、先月末には当該グループの核であるはずの交通事業で路線バスの統廃合案が出てきている。

 経営再建中のアルピコグループが先月30日に示した路線バスの統廃合案に、関係自治体や利用者から戸惑いの声が上がっている。
 朝日村を通るバスは、松本市から山形、朝日両村を経て塩尻市に行く山形線のみ。朝日村内には鉄道もなく、同案通りに上大池(山形村)以遠の運行が廃止となれば影響は甚大。通勤・通学などの足の確保のため、村は今年度1600万円を同グループに支払う予算を計上したばかりで、困惑している。
 また、松本市街地から同市四賀地区経由で安曇野市を結ぶ会田線は全区間の廃止を検討する。同地区の主婦、中島昌子さん(49)は「生活や通学に不可欠。残してほしい」と訴えた。
 同案では平均乗車人数が3人未満の立田、会田、アルプス公園の3路線の廃止を検討。朝日、寿台、山形の3路線は一部を短縮。美ケ原温泉▽北市内(東・西回り)▽三才山▽中山▽神林水代▽浅間・新浅間の各線も、経路変更や減便を検討中だ。【光田宗義】
郊外路線はまた大幅に削減される見込みだ。たしかに平均乗車人数が3人未満、というのはひどいが、そもそもどの路線も本数が少なすぎて日常の利用は出来ないもんなあ、という気がしないでもない。時代の流れに若干逆行しているようなするんだが、基本的に不採算だと会社として判断しているということだろう。まあ・・・会田線なんて、明科駅から数分の会田までしか事実上利用者は昔からいなかったもんなあ。しかし、昔は松本から網の目のように路線が出ていただけに、さびしくなったもの。

 事業再生中のアルピコグループ持ち株会社アルピコホールディングス松本市)の堀籠義雄社長は7日、信濃毎日新聞社のインタビューに応じた。松本電鉄が運営する上高地線(松本−新島々)の鉄橋2カ所の架け替えで、今後数年内に数十億円の費用が必要になるとした上で「単独でとなれば、ほかにやってもらうしかない」と述べ、行政の支援がなければ事業継続は困難−との考えを示した。
 松本電鉄によると、対象となるのは、松本市内の田川と奈良井川に架かる鉄橋。前身の筑摩鉄道が1920(大正9)年の創業当時に建設したものを補修して使っている。当面は安全性に問題はないとするが、国土交通省からは「数年以内に抜本的な対策が望ましい」と指摘を受けているという。
 堀籠社長は「(架け替えは)国や自治体の支援を得て共同事業としてやらないとできない」と強調した。
 県によると、鉄橋架け替えには国の補助制度があるが、事業者も経営状況などに応じ負担をする。県内では、上田市上田電鉄別所線の存続に向けて独自の補助を上乗せしている例があり、アルピコ側は今後、鉄路の維持と引き換えに、地元の松本市などに踏み込んだ財政支援を求めていく構えだ。
 堀籠氏の発言に対し、同市の牧垣寿志・政策課長は「既に財源確保の方法を含め、部局をまたいで検討を始めている」と説明。東筑摩郡波田町原田憲一副町長は「上高地線は町の大動脈。維持のため最大限できることを検討したい」としている。
 上高地線の1日平均利用者数は96年には約4700人だったが、年々減少が進み、2006年には約3600人となっている。
うーん、行政の支援か、と考え込んだり。まあ致し方ない部分はあるんだろうけれども。どっちも暗い話で、ではどう利用者増加のための施策が打てるのか、とかそういう話をするような状況がくることを早く祈るばかり。もちろん内部では出てる話なんだろうけれども。