人吉の桜

どうも九州の桜は進むのが遅いみたいで、今頃妻の実家(北区赤羽)の団地の周りの桜並木はもうすごいことを過ぎて散り始めたらしいが、福岡もようやく花見ができるか、というところ、そしてまだ熊本南部、むしろ鹿児島あたりでも花見ができる。
朝起きて天気予報を見ると徐々に回復する様子、先週も行った唐津線、もう少し行って松浦鉄道辺りに行ってみようかと思っていたのだが、途中で思い直してそのまま九州自動車道へ。7時過ぎに出たから昼前にはつくだろう。

春休み中だというのに九州自動車道は空いている。東京から引っ越してきて気づいたのだが、人口そのものが少ないのだから必要か必要でないかは別として、必要だとしてもそんなに「利用されている」様には見えないのだ。となるとどう規格を落とすかとかそういうことか。

それはさておき、八代からは長い長いトンネル連続区間を抜けて人吉インターで降りる。一インター間38キロってどんだけ長いんだか。

八代から川をさかのぼってきた肥薩線は、ここ西人吉の手前当たりからようやく人吉盆地に入る。山が少し開け、人家が多くなってくる辺り、西人吉駅の手前にあるのがこの桜並木だ。隣接して老人ホームがあり、付近一帯が桜並木になっている。老人ホームの構内も開放されておりそこここで花見をしているグループが。


昼過ぎまでいたがどうも天気がさえない、今にも雨が落ちてきそうな天気になってきた。そんななか俯瞰できる場所でもないかなと午後は少し県道304号線沿いに下ってみるが、どうも下調べもなしではうまくいかないなあ、といった感じ。今回は怪しげな道路地図しかもっておらず、大体で見当をつけて狭い集落の道に入っていくと、どこまでも上に上れるのだがありえないほどの断崖についた狭い道となり、標高線に沿って右に左に上っていく。ひたすら林の中を上っていくと、はるか上のほうに茶畑と集落があって終わる、そんな感じだ。山肌にへばりつくように何軒かの家があり、小さな集落をなしている。厳しいところだ。
線路は川沿いを結んでいるのだが、人家は稀で、その僅かな集落も対岸にあってどこまでも橋がなかったり、鉄道の駅と関係ないところにあったりして、なるほど利用者は少ないだろうなあ、と思わせる。眼下をキハ31が単行で走り去っていった。