修悦体・・・?

昼下がりの山手線にのって新宿へ、中央線に乗り換えて高円寺へ向かう.

高円寺までわざわざやってきた目的は、8/29日付で触れた「ガムテープでゴシック体の様な文字を作る警備員さん」の展示会?を見に.いやあ、ずいぶん人気なのね.

以前書きかけたが、この不思議な文字に初めて触れたのは5年前の新宿駅、ありえないくらい複雑に入り組んだ駅に大きく書かれた、全てに優先するような案内表示.形が整っているとはいいがたいが不思議に機能的な文字は、駅の機能美をまた引き立たせる不思議な魅力に満ちていたわけだ.俺には、だけれども.

高円寺のこれまた雑然とした商店街を抜けて数分、小さな空き店舗のようなところが展覧会会場だった.小さな会場だが壁一面に文字が飾られ、というか文字が書かれ、というのかなんというのか、不思議な雰囲気をかもし出している.何もないんだけれども、道行く人がふと足を止めてみる、そんな魅力があるようだ.

文字も、普段案内表示として実用のために見ているものを純粋に文字として眺めてみるとまたこれが.われながら文字好きだなあとあきれてしまうわけだが.


撮影自由だったので、ばしばし.

トリオフォーさんが自ら説明されていた「修悦体の作り方」.文字枠をとってその中に直線を引いていく、というのはレタリングの基本と習ったような気がするのだが、この無駄とも思える無数の線が文字になって行く過程というのは見ているだけで面白い.

なんともいえない文字の羅列.一緒においてある本に「修悦体以前の修悦体」だったか、ということで謄写版の鉄筆文字本が置かれていたが、確かに似ているのかな.
20時から実演、というまたとない機会だったのだが、時間が合わずに帰ることに.

しかし惹かれる字体だ.
単なる文字、手作りの文字群に過ぎないのだが、きちんとしたように見え、そうでもないようにも見え、なんだかゆるい雰囲気がありながら見やすく目を引く、そんな感じなのだ.それでいて、純粋にただ駅で案内に徹するストイックさ.機能美、とはちがう何かがあるんだろうなあ.うん.