小春日和の小湊鉄道へ

一時間ほどぽかぽかした日和の下を快調に走っていって、昼前には市原に到着です.インターを降りてすぐ見えてくるのが、土色の田んぼの中を走っていく小湊鉄道のレール.架線のない線路、やっぱり空は高いですね.
市原近辺から上総牛久までは日中は単行ながら30〜40分に一本の列車がやってくるまあ近郊区間、のっぺりとしていますが開けた平野は冬とは思えない暖かな日差しが降り注ぎ、沿線のぽつぽつと立ち並ぶパチンコ屋だったり大型スーパーだったりコンビニだったりに人のにおいが温かく感じられる区間です.一本二本列車を撮影しては近くのスーパーに立ち寄ったり、今時人力オンリーの保線作業をぼんやりと眺めたりしながらすごす時間は贅沢なものです.

さて小湊鉄道に初めて来てまだ5年ほどなんですが、やはりすこしづつ沿線の風景も変わりつつあります.県道沿いにあったローカルのスーパーマーケットがつぶれ、パチンコ屋と中古車の買取チェーンの看板が増えました.古い駅舎を大事に駅員をおいて使っている小湊鉄道ですが、昔より駅が無人化される時間が長くなっているような気がします.もちろん生活パターンとかそういうものを考えるといたしかたないとは思うのですが、やはりなんかさびしいなあと思います.ちなみに海士有木の駅横に宅地用地が20区画くらい分譲に整地されていたけれども誰がかうのかなあ?

その後はだんだん南へ南へ、山の中に分け入りながらぽつぽつと写真を撮ったりしながらうとうとしたり.低いながらも山の中、あっという間に日は沈んで気がつくと薄紫の中に包まれているのでした.

さて、この小湊鉄道ですが上総牛久より南側は本当に何もありません.商店もまばらな程度、線路は頼りなく二条どこへともなく伸びる程度です.終点近くの養老渓谷も観光シーズン以外はひっそりとしていて、ましてや終点のいすみ鉄道連絡しかない上総中野駅に至っては言わずもがな.こんな鉄道が今もゆっくりゆっくり走っている、なんか不思議な気がしてきました.もちろん、バスとかの副業(?)のおかげなのは百も承知ですが.

終電は里見どまり、バルブ撮影をしているとあっという間に回送で帰ってゆきました.