納豆狂想曲

さて、「あるある大辞典」の例の「納豆に関するデータ捏造」、スポンサーの降板で番組打ち切りとかそんなことになりそうな事態だそうで、やはり朝会社に行くと「信じてたのに〜:」とかいう会話を聞いたりしたわけです.いやあ、信じてたのか・・・というのが正直な感想なんですが.
 さて、スーパーなんかで働いているので、一番こういうのに近い世界にいることになります.ちなみにそこそこ大手なので、正直放送直前には番組情報が入ってきてそれに基づいてある程度の発注はかけているようなのですが、今回は全然間に合わなかったとか何とか.それくらいテレビの影響力はあるんですよね.どう考えたって、この実験って全然対象とっていないよなあとか根拠示されてないよなあ、とか思うのですが、それでも売れるんです.日常スーパーで売っている程度のものなら本当に売れる.今回の納豆なんて、納豆のシーズン(春と秋)なんかじゃ全然なくて、需要の底の時期だったのにそれでもまあ売れる売れる、といった状況だったのは皆さんご存知の通りで、家の近くのスーパーでも何度空になった冷ケースの前でたたずむお客さんを見たことか.発注しても割り振った最低数量しかはいってこないといった状況が続き、メーカーはできる限りの増産に走ったとか(納豆って「増産」ってできるんですね).
 しかし、いつもこういうことがあると考えるんですが、何も考えずに「テレビで放映されたから」ってだけでPOPをつくり、エンドに積み上げる(実際納豆は粗利益率が低いのでそんなことはなかったようですが)、そんな小売業の立場にも一つの問題はあるんじゃないかなあと改めて思った次第です.確かに売れるんですが、テレビ一つでの情報はなんとうすっぺらいことか、そんなことを考えざるを得ません.そしてそういう売り方しかできないというのもなんとうすっぺらなものかとも思うのです.
 いや、納豆は何はともあれうまいです.こういうときこそ納豆を食べてみようかと思うわけです. 中小のメーカーの中には、大量の発注キャンセル(基本はできないはずなんですけれどね、メーカーのほうがやっぱり立場は弱いのですよね)に倒産の危機を迎えたところもあるといいます.もうこのへんまで来ると「ブームに乗ろうとするからだ」といったレベルではないと思うんですよね.皆さん、こういうときこそ納豆を.