去年のいつだったかわざわざ見に行ったんですけれどもね、高砂駅の手動踏切.駅のすぐ先が車庫になっていて、電車の速度が様々だったりいろんな理由があって警手のいる手動踏切のままで長らく残っていました.駅に停車中の電車のドアが閉まると踏切がするする、と閉じて、表示灯が白く点るのです.ひっきりなしに踏切が上がったり下がったりする様子はとても興味深いものでした.踏切自体も興味深いのですが、踏切に通じるのは狭くも交通量の多い2車線の都道だったり、駅前も小さなタクシー乗り場を作るのもやっとという狭隘ぶりだったり、雑然としつつも下町らしいのんびりした風景で、そんななかにごく自然に時代遅れとなったワイヤー式の遮断機の踏切が溶け込んでいました.なかなかいい風景だと思ったんですが、過去のものになっていくんですね.写真をどこかにやってしまったのですが、踏切の警報機の音、駅のざわめき、駅前のパチンコ屋からもれてくる雑音、そして遮断機を下げる接近ブザなど、それぞれがリズムを持って聞こえ、薄暗い夜の街にまたあっていたんですが、ちょっと残念です.
 安全性の観点、街づくりの観点からだと踏切は邪魔以外の何者でもないのですが、コンクリートの冷たい街にならないといいなあと思ったり.