ツアーバスより路線バスを

規制緩和で新規に商売をするのと法の抜け道をぬった商売をするのは違うと思うんですが.


 大阪―東京の片道料金が3000円台――。激安価格を売り物にした中小旅行会社の「ツアーバス」が、高速バス業界の競争を過熱させている。「ツアー」といっても、鉄道会社の長距離路線バスと同様に目的地に乗客を運ぶだけ。主催する旅行会社が料金や運行区間を自由に設定できるのが強みだ。路線バスも割引やサービスアップで迎え撃つ。行楽の春、深夜バスの乗り場はラッシュアワー並みのにぎわいだ。
(中略)
 路線バスは、道路運送法によって路線や料金を国土交通省に届け出る必要があり、一定の路線をダイヤ通りに走らなければならない。一方、ツアーバスは旅行会社が主催する旅行商品の一種で、料金や運行区間を自由に設定できるのが特徴だ。
こんなに本数が多くなる前、1年ほど前に使いましたが(id:sa-50:20040925)、「これってどうなのかなあ?」というのが第一印象でした.ツアー旅行(募集型企画旅行)であるにもかかわらず、その詳細と意味については全く説明があるわけではありませんし、乗り場も公道上に駐車して片側車線を全て占拠(新宿の場合)、定時運行もかなりアバウト、と実態は高速バスと似て非なるものなのですが、実態をどれくらいのお客さんが知っているのか気になります。
どうしてこんなに安いかというと簡単なことで、運行経費が安いバス会社を使うから安いんですよね.東京〜大阪を結ぶツアーなのに、運行を請け負うのは岡山やら広島やら、群馬やら茨城やらの小さな観光バス会社総動員、というのはよくあることです.やはり労働単価が明らかに安い、というのをバイト先の運転士に聞いたこともあったなあ.で、バスも路線バス事業者の中古とか、何年落ちだかよくわからないのが来ることもよくある話で.
やっぱり、法の抜け道じゃないかなあ?とか思うわけです.

もちろん全部が全部そんな事業者さんばかりではないと思います.新規参入のメリットもあるでしょう.でも、収益がどこから上がっているのかなあ、と思うと簡単に安いから、と思えない自分もいます.
地方のバス会社って、多くの生活路線の赤字を高速バスで補填する形になっています.高速バスが倒れると地方の路線が切り捨てられてゆく、昨日のエントリでも書いた鹿島鉄道もそうですね.あそこは筑波〜東京の高速バスが鉄道を支える形になってましたけど、つくばエクスプレスが競争相手になってしまいました.もちろんつくばエクスプレスが不要である、とか、税金で守らなくては、とかそこまでは(実際の利用状況を見ると)思えないんですけど、やはり寂しいなあと思います.
地方の足は地方の手で、そう思うと、ツアーバス?うーん、と思ってしまいます.