さよなら、ロッコール

コニカミノルタ、という経営統合には未だに違和感の抜けないおっさんなんですが、そんなコニカミノルタ、写真業界から姿を消していく、という話.


コニカミノルタホールディングスは1月19日、カメラ事業、フォト事業から撤退すると発表した。カメラ事業は3月末で終了、デジタル一眼レフカメラの一部資産はソニーが取得し、同社は「αマウント」に準拠したデジタル一眼レフカメラ(DSLR)を今夏に発売する計画だ。

 コニカミノルタは「デジタルカメラではCCDなどのイメージセンサー技術が中心となり、光学技術やメカトロ技術などの強みだけでは競争力のある強い商品をタイムリーに提供することが困難な状況」と撤退理由を説明している。銀塩フィルムなどのフォト事業も、デジタル化の進展で市場が縮小し、収益性が悪化。昨年11月にはフォトイメージング事業の縮小とリストラ策を発表していた。

去年から京セラ(CONTAX)、ニコン、そしてコニカミノルタともうデジカメから老舗カメラメーカーが続々と撤退してゆきます.コニカミノルタがデジカメで弱かったのはたしか基本部品を外注に頼っていて価格転換がうまくいかなかったからだと思いますが、そりゃ単なる組み立てメーカーじゃ弱いなあ.
コニカ、その昔は小西六でしたね.たしか小学生のときまでフィルムといえば「富士カラー」か「サクラカラー」でしたっけ.20枚撮りの富士に対して24枚撮りになったのがサクラカラーだったかと(CMは萩本欽一).小学生のころ初めてつかったカメラは祖父からもらった時代遅れのコニカEEmatic(1963)でした.そのあと「ジャーニーコニカ」「ピッカリコニカ」「BigMINI」「現場監督」とコンスタントにコンパクトの名機を出していましたが、電子技術でカメラはだんだんおいていかれていたんですね.フィルムのほうは、完全にファミリー向けのネガカラーと業務用のネガカラーに偏っていたからなあ.「SINRA」とか変なリバーサルフィルムも出していましたが、発色がどれも極端に一方に寄っていて使ったことはありませんでした.というかカメラ屋でもほとんど見たことないけど.こちらはもうやめたい、というのが正直なところだったんでしょう.設備投資も開発投資も近年ずっと絞っていましたしね.
ミノルタ、といえば、表題のロッコールレンズなんですが*1、そのロッコールのMDマウントのころはオリンパスを使っていたので知りません.大学に入って中古で買ったのがα7701i、あと8701i、7000、9000、7xiとかその辺は使ってましたが、電子化は好きだったんですが時流を微妙にはずすのが好きだったイメージがありますね.
デジカメでもコンパクトでも、カメラ=光学機器、というイメージがあり、光学メーカー以外はどうも信用できないような気がしてしまうんですが、もはやPC部品のような生産形態になるんだろうと思います.スーパー等で発売される格安デジカメは今後とも一定の地位を占め続け、そのうち中国等の新興メーカーが進出してくるんでしょうね.キヤノン、富士といった光学メーカー、カシオなどの電子メーカー(もうこういうわけ方はまったく意味を成さないのですが)は価格競争の中で、一定のラインを保っていく(収益的にはますます厳しくなるんですが)んでしょう.

4月1日以降、銀塩ボディを含むコニカミノルタ製カメラ・レンズなどのアフターサービスはソニーが行う。
ヽ(;´Д`)ノ大丈夫かなあ.人的資源ってどの程度引き継ぐんでしょうかね.事業部ごと丸抱え、としても大規模なリストラはあるでしょうし、あれ、レンズの生産体系って今どうなってるんだっけな.ますます一眼レフは忘却のかなたへ・・・

各メーカーの販売シェアを見てみると、コンパクトデジカメでもずいぶん下のほうにいたことが分かり、まあ撤退もやむなしといった気がします.しかしSONYも、光学関係どうも・・・
三洋がシェア最下位ながらなかなかやめないのがよく分かりませんが.
写真好きとしては、ああ、また一つの時代が変わるんだなあ、といったニュースでした.

上の写真は、机の引き出しの角から出てきたいつのかわからない「カラーフィルム消しゴム」.この箱の色は多分「サクラカラー」だろうなあ.

*1:上記のコニカ、といえばヘキサノン.80年代まで一眼レフカメラを出していたが、販売ルートが弱く撤退してましたっけ