思い描く姿って、なんだろう。

王滝村、といえばすぐ俺なんかは「学童列車 やまばと号」とか「理髪車」とかしか思い浮かばないわけなんですが*1、長野県は木曽の山奥にある小さな村です.国道からも鉄道からもはずれた山中、村営のおんたきスキー場が有名だったのですが(学生の頃は、日曜の夕方なんか名古屋方面に長い渋滞を作ってましたなあ)、その経営不振による多額の負債が村の財政状況を直撃しているのはご存知のとおり.
で、こんなニュースを見つけました.


木曽郡王滝村議会の6月定例会は23日開会し、議員定数を現在の10から6に削減する条例改正案と、村議会を廃止し代わりに「村民総会」を設置する条例案が、いずれも議員提案された。総会設置条例案は、町村議会を置かずに、有権者の「総会」を設けることができるとした地方自治法の規定に基づくが、提案されるのは異例。
 王滝村は近隣町村と合併できず、村営スキー場関連の多額債務を抱えて財政再建団体への転落も予想される状況。定数を削減せず、チェック機能も果たしていない、として、住民グループが村議会解散を請求している。
 総会設置条例案を提出した無所属2人のうち三浦清吉議員は「小村の生き残り策として、議会をなくす方法もあることを示したかった」と説明。可決の可能性は小さいが、解散を求められた議会側から「村民が直接、村の方向を決めてください」との声が出た格好。
 条例案は、村民総会は18歳以上の全村民を構成員とし、定例会を年1回開催、半数以上を定足数とし、報酬は支給しない―との内容。総務省によると、「総会」は地方自治法が認める直接民主制の機関だが、現在設置している例はない。
総会、ってのはこれですね。

第94条 町村は、条例で、第89条の規定にかかわらず、議会を置かず、選挙権を有する者の総会を設けることができる。 
第95条 前条の規定による町村総会に関しては、町村の議会に関する規定を準用する。
正直に、今でも直接民主制への道筋があるってのにびっくりしたわけだが.むろんこの王滝村の場合は「村議会の解散請求」に対する一つの方向性の提示、というか「じゃ、なくして直接民主制にしてみる?出来る?」という一つの挑戦で、実際に可決されることはほとんどなさそうなんですけどね.
でも、こういう方向性があるってのを何か生かせないかなあ、とか思うんですよね.実際には総会なんてやっている自治体なんかないわけですし(戦前なんかはあったんでしょうけどね)、地方自治法にも以上のようにたった2行だけのっているだけ、「準用する」って言われてもなあ、としか言いようがないんですけど、「住民投票」とかいろんなもので民意が試される今日この頃、試しに一つこういう自治体がでてきてもいい、という気がするんですよね.もちろん町村合併で広域行政にむかおうとしている今の流れとはまったく逆行してしまうんですけどね.

そういえば、東京都議会選が告示され、選挙運動真っ最中です.個人的にどう論点があるかもあんまりよく分かってないわけですが.新聞も取ってないので選挙公報も入ってこないし.東京にあんまり住んでいる、という意識がないからかなあ.
どんなところにしたいか、要はそれだけの問題だとは思っているんですが.仕事帰り、駅の前にえらい大勢の人が溜まっていました.共産党かだれかの街頭演説だったみたいですけど、やっぱり真剣に聞いている人は聞いてるんですね.みんな支持者とかそういう訳でもなかったみたいなので.その辺の意識をどうまとめて行けばいいんでしょうねえ.

*1:木曽森林鉄道のそれね