シティ情報ふくおか休刊

やっぱり地方出版社は大手雑誌社に食われ、大手雑誌社はネットに勢いをそがれる、そんな時代なんでしょうかね.


 プランニング秀巧社(福岡市、緒方邦博社長)は十六日、タウン情報誌「シティ情報ふくおか」を六月二十七日発売分(六百四十七号)を最後に休刊すると発表した。三十年近く発行され、九州のタウン情報誌では草分け的存在だが、競合他誌との競争激化に伴う部数・広告収入減などを背景に休刊する。創刊三十周年を迎える九月に、インターネット時代に対応した新媒体として復刊を目指すが、見通しは立っていないという。
 同誌は一九七六年九月創刊。月刊誌としてスタートしたが、きめ細かいショップやグルメ、イベント情報などが好評で、八四年春から隔週刊に。天神で百貨店の開業や増床が相次いだ九六―九七年には部数は十二万部超に達した。しかし、その後、有料情報誌を全国展開していた複数の大手出版社が福岡進出し、無料のフリーペーパー発刊も相次ぐなど経営環境が悪化。部数は十万部に減り、広告収入も目減りした。同社には五十九人の従業員がおり、今後、合理化策も検討するという。
シティ情報ふくおか、っていうと俺らよりちょっと上の世代には絶大なネームバリューを誇っていたタウン情報誌.中学生の頃だったか興味しんしんで買ってみたことがあったなあ.「東京Walker」とかよりもどっちかというと「ぴあ」に近い体裁だったのですが、地味に休刊するそうで、残念。
確かにショップの情報も、行楽情報も、おしゃれなカフェもイベントも、後発組の九州Walkerには全然かなわなかった感じがします.その九州Walkerはというと雑誌の体裁も殆どカラー(オールカラーだっけ)で洗練された、というより情報誌としてある意味完成された形だし、なんてったってあの東京の雑誌の姉妹紙、ネーム場ユーは絶大だもんなあ。その中で12万部超→10万部への落ち込みで済んでいる(どこまで本当なのかは分かりませんが)ってのはすごいと思うんですが、今後さらに情報ツールが増えるにつれてこのままだと先行きを描くことが出来ない、つうことなんでしょう。
フリーペーパーの躍進は著しいです。


今は、インターネットなどで情報を「無料で」入手できることが当然の時代になってきている。とはいえ、インターネットを使えるのはPCがあってこそ。また、インターネットで情報を集めるのは、使う側が検索のためのキーワードを持っている必要がある。「無料で」手に入り、どこでも読め、情報を提供してくれるフリーペーパーがウケルのは当然なのかもしれない。そのせいかどうかは微妙であるが、有料の雑誌は、年々売り上げが減少しているのだ。大手出版社が発行しているタウン情報誌2冊を見ると、1999年から2002年にかけて、発行部数(公称)、販売部数(公査)とも、かなり下がっている。週刊誌全体で見ても、99年に比べ03年は推定発行部数が86.5%にまで落ち込んでいる(『出版指標年報2004』社団法人全国出版協会・出版科学研究所)。

さて、タウン情報誌でぐぐってみたらこんなページを見つけました。

結構あるもんですが、加盟情報誌数も徐々に減っています。中の「読者像」によると、若者のうち読んでいる層が69%、一年間に読む冊数が5〜6冊ってトコロですか.その大部分が立ち読みなんじゃないかなあとか思ってしまうわけですが.反面フリーペーパーですが、最近東京で人気の"R25"(リクルート社)なんか、確かにフリーとは思えないクォリティの高さですからな.本当に人気らしく配布ラックに1日以上在庫が残っているのを見たことないし。読み散らすにはフリーペーパーで、なんとなく情報を探すのはネットで、というかたちは大体定着した感がありますね.そう考えると、タウン情報誌が今まで生き残ってきたということのほうが驚くべきことかもしれません.
でもどうしても、フリーの情報誌って、ちょっと読み散らして、あと映画とかのざっとした情報を得る、つう域を超えられませんよね.雑誌として面白い特集とか、町をいろんな姿で見せてくれるのはどうしても有料のタウン情報誌に他なりません.違いは「町を見る」という仕事をどこまでプロとしてできるんかなあ、つうことになるんだろうと思います。そう考えると、タウン情報誌の休刊というのは本当に残念です。
ま、雑誌全般的にこういう状況なんでしょうけどね。

公式ページにはこのようなお知らせが。


1976年9月25日に創刊しました《シティ情報ふくおか》は地域の皆様に愛され、ご支持を頂戴して、まもなく30周年を迎えようとしています。この間、弊社は情報誌発行業務をベースに、福岡の街に根差し、福岡を愛する読者の皆様に少しでもお役に立ちたいと、さまざまな形での情報配信を試みてまいりました。そして、情報伝達の手法や需要、そのスピードや視点が移り変わる中、私たちは次代の情報伝達サービス業を担う企業として、もっともっと皆様にご活用いただけるメディア作りを目指し、原点に立ち戻り、再出発することを決意いたしました。
創刊記念日をメドに、この秋、新しいコンテンツと21世紀型の視点を備えた新《シティ情報ふくおか》はリ・スタートさせていただきます。新メディアは福岡の街ネタをディープに掘り起こして話題提供し、福岡の街の“元気創造”に貢献します。また、情報誌の枠を超え、世代・性別も超えて、福岡の街を愛する方々の熱い思いを伝えるコミュニティメディアを目指します。
つきましては、その準備のため、既存の《シティ情報ふくおか》は6月27日発売の647号をもって休刊させていただきます。新しい《シティ情報ふくおか》にご期待ください。
期待してます。ええ。