大宮という街

sa-502005-03-31

というわけで続きです.
駅のすこし手前でようやく中心市街地らしいところにバスが入りました.すこし手前でバスを降りて歩いてみます.駅の東側の市街地ですが、手前に低層の建物が薄く続く、昭和を色濃く残したふいんき.さすが県庁所在都市だけあって結構人通りも多いぞ、そうか春休みか.

ふと見上げるとなにやら古びた「中央デパート」が.おお、いまや絶滅危惧種の地元資本百貨店ではないですか、とりあえず入ってみました.

かなり年季を重ねた外観だが、周囲とあんまり違和感がない、というのもアレです.向かいの高島屋はきれいに塗りなおされていましたがそっちのほうが浮いているくらいです.
で、この中央デパートですが、地上6階地下1階建てとはいえテナント構成は以下の通り、もはや開店休業状態に近いものがありました.

  • B1F・・・閉鎖(2月まで食品スーパーのオリンピックが営業)
  • 1F・・・金券ショップ、小さな100円均一、半分以上空き
  • 2F・・・フタバスポーツ、中学生でけっこう繁盛.あと携帯ショップ
  • 3F・・・空き
  • 4F・・・紳士服のサガセン
  • 5F・・・居酒屋


空きになっている3Fにはどうやら十字屋系列の手芸店があったようですが、あきフロア.

1F空きフロア、ポイントカードか友の会カードかの取り扱いを最近やめた、ということで、払い戻し対応の社員さんがぽつんと.

階段の踊り場の何も入っていないショーケースが寂しげでした.調べてみると、昔は5Fにデパート大食堂があったり、大宮を代表するデパートだった様ですが、エスカレーターも登り一方のみ、完全に時代に取残されてしまった様で、そういえばフタバスポーツでもサガセンでも「中央デパート改装中も営業宣言!」と大きなPOPがありましたが、閉鎖問題かなにかもめていたんでしょうか.うーん、しかし大都市の中心にこういう空間があるのってたしかにもったいない.
外に出ると向かいは高島屋、その隣がカメラのサクラヤ、でもなんか全体的に中層の建物が雑然と続き、人がなんとなくあふれていてそこそこ活気は感じさせます.


けっこう古めの建物が多いです.
しかしなかなか人通りだけはありました.高島屋にはお客さんそこそこ(平日の百貨店って久しぶりに行きましたが)いたし、通りの向こうにはLOFTがあったり商店も結構集まってます.スクランブル交差点をいっせいに人が渡って行きます.それをうまく生かせてないような感じ.

今回大宮の駅の反対側を見るのを綺麗に忘れていたのですが、大宮駅の西側が再開発されてソニックシティなどが立地しているのに比べ、東側は再開発が頓挫した経緯があるようです.


<大宮駅東口再開発計画> 正式名称は「大宮駅東口第一種市街地再開発事業」。飲食店や雑貨店などが密集する約2・4ヘクタールを再開発し、駅前広場と地下2階地上9階建ての商業ビルを整備する計画。「県内最大の商業都市と関東の北の表玄関としてふさわしい駅にする」がねらいで、総事業費は約400億円と見積もられた。旧大宮市が83年に都市計画決定したが、02年に中止の方針が打ち出され、今年4月、計画そのものが廃止された。
結局がっと巨大なハコモノを作ろうとしたんですが、地権者の多さも災いして結局まとまらなかった様です.地権者にとって、新しいビルによって利用が高度化されるってのは、これまでと違うあり方を迫られる訳だからねえ、また行政に対する不信感も根強いみたいだし.
ただ大宮という大きなターミナル駅の駅前を今のままほっておくのは大変宜しくないと思うんですよね.はたしてこういう町を、大宮の人たちは、また利用する人たちは望んでいるのか?「町の利用者」という視点からはそんなことないんじゃないかなあ、また地権者にとっても今の状況は必ずしもプラスとは思えないんです.テナント問題とか厄介な問題はあるんでしょうが、上記の中央デパートだって、テナントはそのままでも低層の建物にしたほうが入りやすいはずです.
一気にスクラップしてリビルドするのはとても難しい、ましてや外部の人間にそれをやられちゃタマラン、というのが本当のところでしょう.それなら、少しずつ、望まれるようなリビルドをどう全体的にコントロールしていくのか?うーん、行政って面白そうだなあ.