お、裏技だな.

ビックカメラが残業代をごまかしていた、というニュース.


カメラや家電製品の量販店「ビックカメラ」(本社・東京都豊島区)が売り場の主任に長時間の残業をさせながら、残業代を支払っていなかったなどとして、東京労働局は25日、同社と新井隆司社長を含む役員ら8人を労働基準法違反(時間外労働、割増賃金不払いなど)容疑で東京地検書類送検した。中には正規の8時間勤務と労使協定で認められた7時間の残業に加えて8時間40分の残業をさせ、計23時間40分の連続勤務をさせていた例もあったという。
時間外を計上しないだけなら、正直今のチェーンストア(含む専門店)でやっていないところは殆ど無いんじゃないだろうか.俺?いやまあ
ただし、このビックカメラのやり方には正直笑いましたよ.そんなんありかよ.

調べでは、同社は東京の池袋本店と新宿西口店で主任110人を管理職のように装い、
そうかあ、管理職だったら時間賃金制じゃないもんなあ.残業代はシステムとして無くなる訳ね.働きたい放題だ.人数は上記2店で110人、同社の会社案内によると、社員数は16店で約3000人だから、本当の管理職とスタッフを2割として、残を単純に割っても1店100人強になります.新入社員とかを除いて考えると、要は殆ど全員管理職.冷蔵庫とかを聞いたとき、出てきた人がメーカー販社さんじゃなかったら、それは社員、こういうことですか.ということは手当てはすでに基本給の考え方に組み込まれている(新入社員には別途調整給与つけたらいいですからね)ということですね.
ニュースでは「池袋本店」と「新宿西口店」のみになってますが、管理職の数は店がコントロールできる問題ではないと考えるのが普通、ある店で管理職で他の店でそうじゃない、となると異動だって出来ませんからね.これって叩くとすごい金額になると思うんですけど.

ビックカメラは「東京労働局の指摘、指導を真摯(しんし)に受け止め、現在は改善しました」としている。


・・・
嘘つき.


大手家電量販店「ビックカメラ」(新井隆司社長)が、店舗のフロア主任らに月100時間を超える残業を行わせるなどしていた疑いが強まり、東京労働局は25日、労働基準法違反の疑いで東京都豊島区内の同社本部など関 係4か所の捜索に乗り出した。
調べによると、同社は2002年11月以降、都内の店舗のフロア主任らに対し労使協定を超えて毎月少なくとも100時間のサービス残業を行わせていた。また、同月以降の11か月間、このフロア主任に残業代250万円を支払わなかった疑いが持たれている。同局は昨年以降、2度にわたって同社に是正勧告を行ったが、改善されなかったため、強制捜査に踏み切った。ある店舗では、社員30人に年間6000万円の残業代を支払っていなかったとみられ、同局では、ほかの店舗 でも不払いがあった可能性があるとみている。
このときは「サービス残業」だから、主任=管理職、じゃなかったと読めるんですけどね.
さて、今回の「隠れ管理職」ですが、告発したのは、朝日新聞によると「事件は同社の労働組合の告発で発覚。東京労働局は昨年11月に、本社など4カ所を家宅捜索していた。」ということで、「組合が告発して会社の悪い部分を改めたぞ!組合すげえ!」という風に読めますが・・・そもそも今だ労働組合の無い会社の多い大手小売チェーンで労働組合なんてあったんだ、とおもってググって見たらこんなページが.

労組のページを普通にネット上において、なにをしようってんでしょうか.ついでだから中を見てみると・・・おあ、ゼンセン同盟*1なのね.うちんとこと一緒かい.で、「組織の紹介」を見てみると・・・うーん、組合専従の他は店長代理にスタッフ係長.何じゃこりゃ.小売は御用組合が・・・ってそんなレベルじゃないぞこりゃ.本当に此処が告発したんなら、なんか「とりあえずこのへんで・・・」ってのがあったのかなあ.

もしかして、告発した労働組合ってこっちなのかなあ.


ある店舗では、「21:30に全員集合」の掛け声とともに閉店作業のなか従業員が集められました。何かと思えば言われたのは『「会社」が思い立っての「労働組合」を設立』するとのこと・・・。
 会社が??思い立って??よりにもよって労働組合を設立??
 多くの方から頂いたのが、「強制」「半強制的」「有無を言わさず」「名前を書け」。会社が加入を強制する組合です。聞けば組合費もいくらか決まっていないとか・・・。なんともお粗末です。

写真を撮っているので、よくカメラ量販店は使います.リバーサルフィルムでも安定して安く買えるし、たしかにポイント貯まるしねえ.でもこういうポイントの原資って、ここからでてるんだなあと思うとかなり考えることがあります.しかし大手量販店はどこも大なり小なり同じだしなあ.
とりあえず、この「管理職を増やす」方法はばれてしまった訳ですが、なんだか次は社員を個人事業主として業務委託契約なんか結ばせそうな気がします.怖いなあ.こっちの方のルールの厳格化もすすめて欲しい、というのが流通で働くものの本心じゃないでしょうか.いや、自分の会社がどうとかじゃなくて、競争相手がそういう方法で不公正なやり方をされたらこっちも、という話に(経営者サイドは)なりかねないし、そもそもそんな店で売られてるものって、正直買いたくないです.事情を知らない人にはどうだっていいんでしょうが、人だってどんどん入れ替わるだろうし、「物を売る」ってどういうことだかだんだんわかんなくなっちゃうんじゃないかな、と思うんですよ.作った人の思い、技術の結晶、環境に与える負荷と「廃棄物を新たに生み出す」という後悔の念、そして「売る」というのは、モノを右から左に動かすだけで自分はなにも付加価値をつけてないんだけど、そのなかで精一杯の手助けを.そこから自分の給料がでてる、という思いは大事なんじゃないでしょうかね.

そういえば、オレっちの同年代の親戚も、新卒で同じような量販店に入って2年くらいで退社したけど、たしかもう「主任」のベテランだったなあ・・・

*1:全繊同盟