多摩の町

多摩、というと、多摩ニュータウン→高度成長期の高島平・千里NTと並ぶ大規模開発団地→現在では人口流出と高齢化が深刻→山の稜線のはるかかなたまで続く、空室の目立つ団地群、というイメージがあったのだが、実際はそんな訳ではないわけだな、実感としてはじめて知った.
実際には多摩都市モノレールも開業したのは最近だし、駅が新規開業(小田急はるひ野:04/12/11開業)してたり、町開きが続々と行われたりしている.多摩丘陵の開発は依然として進んでいる様子だ.


 ある有名な講演会で多摩ニュータウンに居住し活発に活動している人が、『多摩ニュータウンは高齢者世帯が増加している。』という話を真に受けて、高齢者世帯がどんどん転入しているような解釈で解説されている話を聞いたことがある。事実は全くの反対で、開発初期の多摩ニュータウンである多摩市の高齢者世帯はかなり転出しており、それを越える数の30代の若い世帯が転入しているのが現実なのだが、それが事実として伝わっていない状況に多摩ニュータウンの問題が隠されている。
 つまり、多摩ニュータウンには基礎的なデータベースが整っていないのだ。4市にまたがった地域の情報が一体化されていないことが原因であり、そこには開発が終わった地区と今まさに開発途上である地区が同居していることを忘れ去っている。また、地域間での移動も頻繁に行われていると思われるが、実体は明らかになっていないことが、どの自治体の情報を取ってしても、多摩ニュータウン全域の情報ではないことから、その情報を根拠に新たな提案も難しい状況に置かれているのが多摩ニュータウンである。
ちょこっとぐぐってみたのだが、多摩丘陵の団地群としての問題は、地区が大きすぎるからかなかなか見つけられない.データを例示して高齢化を指摘しているところ、()、そうでないところ、開発に漏れた地区の問題もあるし、開発されたが残売れ残っている土地の問題もある.多摩の範囲もまちまちだし、行政区もまたがっていて結局一様に見ることは難しいのだなあ.
しかしそれらを包括してみていくことって出来ないのかなあ?全体的に見ると

  • 多摩ニュータウンの一番最初に開発されたあたりについては、確かに高齢化と人口減少が深刻.
  • ただし、多摩地区全体で見ると人口は増加中.新しい街区開発も進行中で、子供のいる若〜中年層ターゲットがメイン.
  • 現在開発中の町の多くは、電鉄会社がかなり以前に取得していた土地が中心.スプロール現象などは最近あまり起こっていない.
  • 全体的に需要は高いが、未開発のまま放置されている、開発したが利用されていないところもちらほら.
  • 逆に既開発の団地については、高齢化・人口流出と小売などの撤退による空洞化の問題も.
  • それぞれの区域について微妙に抱える問題が異なっているので、一概にくくるのは難しい

まあざっくりそんなところしか分からなかったのだが、なにか上手い具合にくくる方法はないもんだろうか.周辺で開発を進めつつ中心で再開発を進める、それほどの需要を喚起できるのかな、とちょっと疑問.