想いのある鉄道

まあ子供のときから鉄道好きだったんだが、特になんか「軽便鉄道」つうもんに憧れていた。文字通り軽便な鉄道で、線路幅は76.2cm以下、敷設コストは安いが当然モータリゼーションの波に飲まれて1960年代には大半が姿を消したアレだ。だから実際俺が物心ついたころには尾小屋鉄道も廃止になってしまってて、実際に見たことはないんだが。

ところが。


昨年、東京でオーガニック・ワインの輸入販売の会社をやっている友人(長年にわたるアルファ友達ですが、かなりの鉄道マニアでもあります)を通じて、新潟の頸城村で旧頸城鉄道の車輌を中心とした郷土パーク作りの計画があり、父の遺した旧頸城鉄道の車輌を譲ってもらえないだろうか、という話がありました。
(中略)もし将来これらの車輌が六甲山中で動けるようになったとしても、それよりはいちばん親しみを持っておられる頚城村にお戻しし、多くの人に見ていただくことにこそ本当の存在価値があることは言うまでもありません。これらの車輌は父や私のではなく、まさに頚城村の歴史と文化の一部だからです。そして、悩んだ末、「外観だけでなく、将来的には動態保存を目指していただく」ことを条件に、お戻しすることにいたしました。
友人からのメールで知ったんだが、あの頸城鉄道の車両が復活するらしい。写真を見ると・・・DBもハも、そして主力だった気動車のホジ3もいるじゃないですか。もうこれはすごいことですよ奥さん。
鉄道車両、ていうと単なる輸送機器に過ぎないんだが、そこにはそこで生活していた人たちのいろんな生活様式とか、社会とかそんなもんが乗っかってる様に思う。そう考えると、頸城鉄道の車両たちがかなり大量に保存されていた、そして地元に里帰りしてゆく、というのはかなり奇跡的に喜ばしいことに違いない。

ここまで実現されたオーナーの方、けいてつ協会の方、頸城村商工会の方他皆さんに敬意を感じます。動くホジ3、本当に見てみたい。そしてできれば、軽便鉄道というシステムが生きていた、農村の風景を見せてくれるような保存であってほしいと思う。
なんか募金とかあればしちゃいそうな勢いです。まあしばらく(日本のごく一部で)熱い話題になるんだろうけど、本当にいいほうにいってほしいものと思います。もう残った車両は彼らしかいないんだから。