どうも必要とは思えない

小学校のころ、学校で日本地図が書かれた下敷きをもらったことがある。「発展する日本」とかそんな感じで、表には高速道路網、裏には新幹線網がかかれていた。高速道路のほうは数が多すぎて覚えてないんだが、新幹線は既に開業していた東京〜博多に加え、鍛には東京〜盛岡〜青森〜札幌、東京〜新潟〜日本海にそって青森(?)、東京〜長野〜金沢〜大阪、東京〜成田、そして九州にも博多〜鹿児島、博多〜長崎の2本が「建設予定」として描かれていた。そのとき目を引いたのが、長崎新幹線。他のルートが一本の線だったのに比べて、佐賀の西側から2本に分かれて1本は今の長崎本線沿い、もう一本は早岐を経由して大村線沿いに引かれていたのだった。よほど地域での調整が付かなかったのだろうか、子供心に不思議だったもんだ。
時は流れてそれから約20年、まだそんな計画が生きていてまだ揉めていたとは・・・・


九州新幹線長崎ルート建設に伴い、並行在来線となるJR長崎線肥前山口諫早間)の経営分離問題で、佐賀県鹿島市など沿線の一市六町でつくる「JR長崎本線存続期成会」(会長・桑原允彦鹿島市長)は十五日の臨時総会で、JR九州が同県に示した経営分離見直し案を拒否することを決めた。
 長崎ルート着工は並行在来線問題の解決が前提条件とされている。来年度予算の編成時期が迫る中、政府・与党は新幹線の新規着工区間選定で詰めの作業を進めているが、期成会の拒否で、同ルートの来年度着工が難しい局面に立たされた。ただ、国や与党内には「佐賀県の意向を重視する」との考えもあり、古川康佐賀県知事の最終判断が注目される。
 JR案は、長崎線肥前山口肥前鹿島間のインフラを佐賀、長崎両県が保有管理する一方で、JRが特急列車などを引き続き運行させる考えを盛り込んだが、実質的に全区間を経営分離する方針は変えていない。
 期成会はこれまで並行在来線の経営分離案の撤回をJRに求めてきたが、桑原市長は総会後の会見でも「期成会はJRによる長崎線の存続を求めており、譲れない」と反発。さらに、長崎ルートの必要性について「長崎、佐賀両県や国民レベルでの論議が不可欠」と問題提起した。


いつのまにか長崎新幹線のルートは、人口密度の高い大村線沿いのルートに決まったらしい。で、そうすると現在の長崎本線の一部にあたる肥前山口肥前鹿島間(諫早までじゃないのもまた)は「平行在来線」ということで、経営分離できる・・・んだって。全然「平行」してないような気がするけど、「通過需要がなくなる」という点では一緒だから、そうかいいのか。で、他の例に倣って(青い森鉄道しなの鉄道等)第三セクターになるんだろうが、採算取れそうな肥前鹿島以南をJRが押さえてるのでとても採算は取れないはずだ。これまで経営分離された4つの鉄道のうちしなの鉄道は距離が長く、上田などの都市が点在している。青い森、いわて銀河、肥薩おれんじ鉄道は貨物列車などの通過需要がある。それ以外は・・・横軽峠、ここはあっさりバス転換してしまった。そうなるとこの区間もバス転換ということは十分考えられる。JR九州は「特急列車を走らす」といってるが、途中の都市がないのにどことどこを結ぶんだろう。

小学校のころ配られた下敷きからは「新幹線と高速道路は国土の均衡な発達のために絶対不可欠なんだ絶対建設するんだ文句あるか」という気概が感じられたもんだが、いまや20年たち、その理論を信じている人はいるんだろうか?国土が均衡に発達するためには均一的な人口分布が必要だと思うのだが、

ま、あまりに乱暴な論だと思うんだけど、特に効果ってあんのかなあ・・・・

しかもこの長崎新幹線、いつの間にか「スーパー特急」方式に決まってたんだな。結局新幹線に乗り入れるわけじゃないのか。博多での乗り換えの手間は変わらないのか。うーん。


長崎の未来は新幹線抜きでは描けません−蛭子能収
公式サイトなんだが、作りは分かりやすいんだがちょっとどうかなあ・・・
此処に上げられているどの「必要な理由」も、試算もそうはならないと思うんだが。人の交流は膨らんでも、物流には関係がない。情報も今時鉄道と人で運ばれる情報なんてたいしたことないだろう。時間効果についても1時間50分ほどが30分ほど短縮されるだけだ。今でも十分近い。博多より先には乗換が必要なので、新大阪駅とかで「長崎行き」という列車を見ることはない。(結構ここの差って大きいと思うよ。鹿児島新幹線だって、「新八代行」とだけリレー号に表記してあったらずいぶん効果は減少しただろうし)高速バスで行っても2時間半で2500円しかかからないしな。そもそも観光客をもっと呼びたいのなら長崎空港をもっと活用するほうが早いと思うが。

それにしても蛭子さんって長崎出身だったんだ。
長崎出身の有名人さだまさししか知らなんだ。


次の長崎県知事には、この人しかいない!という作家が。
誰あろう、そう、その人。
村上龍
おお、彼なら、適任ではないか。ふさわしいではないか。
そうか・・・あ、ちょっといいかも。