福岡"Yahoo"ホークス

sa-502004-11-10

おそらくすぐ見れなくなるはずなので、転載。


大手スーパー、ダイエーは十日、十五日にプロ野球十二球団の代表者を集めて開かれる実行委員会で、福岡ダイエーホークスを情報通信大手のソフトバンクに売却する方針を正式に説明することを決めた。野球協約では、今月三十日までに来季の球団を確定させるのが原則。ダイエー側が十五日の実行委で“議題”に上げることで、今月中の売却承認、ソフトバンクの来季からの参入に道筋が開けることになる。
 複数の関係者によると、ダイエーの蓮見敏男社長が十日、日本プロ野球組織(NPB)の根来泰周コミッショナーと、ダイエーが支援要請している産業再生機構を訪ね、「単独継続保有」から売却に転じた経緯などを説明。根来コミッショナーが、十五日の実行委で他球団にも説明するよう求めたとみられる。
 プロ野球界では、福岡ドームなどを所有する米投資会社コロニー・キャピタルがホークス戦の年間チケット販売権などを保有することを問題視する動きもあった。しかし、ソフトバンクが球団買収に合わせてチケット販売など営業権(興行権)を買い戻す方針を表明。地元企業の出資など不確定な部分もあるが、「大きな障壁は見当たらない」(複数のプロ野球関係者)とみられている。
やっと解決ですか・・・つうのが本心からの気持ち。これで王監督もすこしは表情が明るくなるかしらん。
九州の企業に球団を保有してもらおう、という動きもファンの間ではあったらしいが、西鉄九州電力西部ガス福岡銀行・・・いずれも九州内では一流企業かもしれないが、いかんせんお山の大将ばっかりだ。ソフトバンクグループがメインスポンサー、福岡の企業連合や福岡市民が1割程度の出資をしてサブスポンサー、小売の影響から手放したくないダイエーも2割程度の出資(産業再生機構側は全売却という意思もあるみたいだからこのへん曖昧)ということで一応決着を見た様子だ。
ソフトバンクグループも、孫氏の出身県ということで一応縁のないわけじゃないしね。
これをきっかけに、全国にファンを広げてほしい。ていうか東京でも中継してください。福岡なら全試合完全中継だってのに・・・

先日のスポーツ新聞では「50億円で大安売り」つう見出しが並んでたなあ。そんな訳ないのに。


球団売却額は低額だ。ダイエー本社が、福岡ドームや隣接するホテルを持つ米投資会社コロニー・キャピタルに球団売却先の「推薦権」を与え、売却額を50億円程度に設定する契約を交わしている。そのため売却額は約50億円になる見込み。コロニーとは、今後30年間、主催試合8割の福岡ドーム開催や、事前了承なしに球団を売却すれば多額の違約金(約900億円規模)が発生するなどの契約も結んでいる。今回の売却決定は、こうした契約をクリアできる見通しが立ち、コロニーがソフトバンクを売却候補として推薦したためと見られる。
 球界再編問題の真っただ中だった今夏、ロッテから球団買収を打診された際に、球団の価値は約200億円ともいわれていた。最近の西武ライオンズの売却問題でも200億円ともいわれた。リーグ唯一300万人超の観客を動員する人気チームからすれば破格の「安値」での身売りとなるようだ。88年オフ、ダイエーは南海から球団を買収した。16年の歴史の中で、名実ともに球界屈指の球団に成長しているだけに「大安売り」の感は否めない。
ややっこしいなあ。問題の整理。
今回売却されるであろうものは、「株式会社福岡ダイエーホークス(略称 FDH)」の株式だ。中内オーナーが2%、残りの98%をダイエー保有しており、収入はチケット販売のうちのホークスの取り分、ユニフォームの広告宣伝費などで、支出は運営資金、毎年20〜30億円程度の赤字をダイエーからの広告料等で賄っている。
福岡ドーム・隣接のホテルシーホークおよびその中の専門店街"OPAシーホーク"・ホークスタウンモールはかつてはそれぞれが「株式会社福岡ドーム」「株式会社シーホークホテル&リゾート」「株式会社ホークスタウン」で、これらの土地を保有していたのが「株式会社福岡ダイエーリアルエステート」。経営は近年ようやく黒字が出せるようになってきた(なんだかんだいって、最近追放された高塚社長の力は否めない)んだが、いかんせん建設時にかかった数千億単位の有利子負債(ドームだけで建設費740億とか)は大きく、親会社のリストラに伴って、外資系ののファンド「コロニーキャピタルグループ」の「コロニー福岡有限会社」に全株式を売却(会社も「株式会社ホークスタウン」に統合)されている。
で、特殊なのは、ホークスの興行権をホークスタウンが握っていることだ。いくら満員でも、ホークスに入る分は低く、かつホークスは全試合の8割をドームで行うことが義務付けられ、実施しない場合は多額の違約金が発生する。
そもそもなんでこうなったかというと、親会社のダイエーはドーム完成後、急激に経営が悪化した。大リストラと有利子負債削減を金融機関から強く迫られ、1200億円超の有利子負債をかかえる「福岡事業」も売却せざるを得なくなった。
売却といっても、モノがモノだけに簡単に買い手が現れるわけもなく、外資系の投資ファンドにしか売却できなかった。
しかしホークスについては、野球をするだけの会社だ。特に有利子負債が多いわけではない。外資に売却できない。そもそも投資ファンドに売却できるかすらグレーゾーンだ。本業の宣伝効果もあることだし、とりあえず保有しておこう。
でもホークスのない福岡ドームなんて、商売として成り立たない。所詮は九州の球場、ホークス以外で得られる収入なんてたかがしれている。前提として球団=球場であったのだ。仕方ないので、事実上セットとするために興行権は福岡ドームが所有する事にした。

ちなみにこの福岡事業売却劇のときにも、産業再生機構が支援するという話になったが実現しなかったいきさつがある


 再生機構は福岡事業支援の条件として、1)球団売却時の白紙委任権、2)球団株式の減資、3)興行権の球団保有――などを上げていた。しかし、ダイエー側はこうした条件に対して、「関係当事者すべての納得が得られなかった」(主力行関係者)として、支援の申し入れを取り下げた。

で、今回ソフトバンクグループが、ダイエーからホークスを、ホークスタウンから試合の興行権を買取る見込だという。売却額はホークス株が約50億円、興行権が150億円程度で計200億円程度ということだ。他にドームの使用料が約30億、年間の赤字20億円程度に対する宣伝費等での出金もあることを考えると安い買物ではない。
ただしうまくやれば十分な宣伝効果も発揮できるし、赤字体質の続くプロ野球球団での黒字化ということも十分考えられる。福岡では確かにかなりファンは多いが、九州でも福岡以外ではそれほどでもない。ここで全国規模の会社が親会社となることで全国のファンの掘り起こしも可能だろう。面白い、きめの細かいサービスを期待してますよ。