汐留JRAビル付近

最近競馬もめっきりしなくなってしまったが、Y君と共に汐留のWINSに向かう。
2006年完成予定の汐留シオサイト西地区、いわゆる"イタリア街"の真ん中にあるのがこの巨大な場外馬券売り場、"WINS汐留"。なんで馬券売るのに7階建の建物がいるんだ、つうくらいに馬鹿げてでかく、お前らいくら儲かってんじゃ、つうほどに馬鹿げて立派だ。外観なんか・・・


場外馬券売り場のWINS汐留は、汐留西街区のシンボルになっており、16世紀ルネサンス末期に活躍した建築家パラディオの設計した「バシリカ」の外観をモチーフにしています。
ああ、そうですか。
多分ここにいる人の99%はパラディオが誰かなんか知らないけどな。俺も名前くらいしか知らん、鉄骨とガラスから出来たビルの表面がパラディオ様式、といわれても、そうかなあ・・・力学的には何の意味もなさそうだし、建築様式といっていいのかなあ・・・
それはともかく、中はきれいだが場外馬券売場だ。
おそらく計画が出来たときは競馬人気の絶頂期、女性と若いファンをふやしてがっつり稼ごう、客層の使い分けをしようと考えていたらしく、オープン当初は販売が500円単位、という馬券売り場だったんだが、時は流れ今は普通の馬券売り場に過ぎない。ちゃんと100円単位で売ってくれるし、大変綺麗な建物なんだけど「床への座り込み、椅子敷物の持ち込みはお断りします」つう張紙が物悲しい。

WINSはこの辺には新橋にも銀座にもある。こんなに巨大な汐留が出来たのに、特に近くのWINSが閉鎖されたというのは聞かない。競馬を支えているのはこの辺にいるおっちゃんなんだろうなあ・・・ 

秋は日が落ちるのも早く、15時前に帰路に着いたのだがもう影が長く伸びている。

この周りは「イタリア街」つう事になる予定なのだが、まだ結構空き地が多く、JRA関係の警備員の姿がやたらと目に付く。やっと新しいオサレなビルが(もちろん外観は「イタリア的」だ)増えてはきえるんだが、まだ町が出来てないだけに商売にならないんだろうな、空きスペースが目立つ。ぽつんと見つけた紳士服屋も「日本橋三越への催事出店のため、しばらくお休みさせていただきます」の貼り紙。
一応町全体がテーマパーク、つうのを目指してるそうだがうまくいくんかなあ、結構俺は懐疑的だ。最近の若い人って(収入の高低に問わず)結構街にお金って落とさないじゃないですか。テーマパークなんかだと入場料金の元をとる気でお金使ってるような気がするんだよね。結局ぶらっときて、そのまま新橋とか台場とかにぬけていく街に汐留がなるとすると、駅からも遠い西地区は忘れ去られてしまうような気がする。


汐留再開発は、銀座と新橋に隣接する旧国鉄汐留貨物駅跡地から浜松町駅に至る約31haが対象。都心では珍しい、土地区画整理事業による大規模再開発プロジェクトで、都市基盤を整備し、業務・商業・文化・居住機能を併せ持った複合型都市の創出を目指している。全プロジェクトが完成する2006年には、就業人口61,000人、居住人口6,000人の街となる見通しである。
 「汐留シオサイト」と名付けられたこの再開発プロジェクトの特徴は、“官民協働型の街づくり”である。地元住民が主体となって設立された「汐留地区街づくり協議会」が、行政と個々の住民とを結ぶ組織として機能している。例えば、地区内の公共施設整備では、自然石を使用した歩道や装飾性の高いデザインを採用した街路灯、各種イベントの開催が可能な幅員40mの地下歩道、数十種類におよぶ高低木の植栽など、通常の行政主導の整備より、グレードアップした環境デザインを実現させている。
確かに高層マンションが何本も立ち並んだ姿は職住近接の新しい姿を見せていると思う。しかし汐留の街は、商業施設中心の街づくりにありがちな外から来る人にだけ開かれている街になってるんじゃないかなあ、と思うのだ。特に西地区は、そこに交通アクセスの悪さが加わってくるような気がする。本当にこういう街が必要とされていたのかなあ、とちょっとだけ疑問。
まだ出来上がってない段階でこういう感想を持つのはたいそう失礼なんだけどな。

第一京浜を跨ぐ歩道橋から先を見ると、銀座のほうのビル街の手前に新橋のガード。
湘南電車が、緑とオレンジのツートンの斜体を赤く染めて西へ走り去ってゆく。