営団地下鉄は東京メトロへ

sa-502004-02-10

今日新聞を広げたら飛び込んできた全面広告がこれだ。営団地下鉄は今年の春から民営化されることに伴い、「東京地下鉄株式会社」に正式名称を変更し、愛称を「東京メトロ」、シンボルマークを「M」をモチーフ化したものに改めるという。
 いや、残念だ。すごい残念だ。

俺みたいに地方出身者にとっては、東京というのはとりあえず「上京」してみる仮の住まいみたいな感覚があるのだが、もちろん人工都市じゃあるまいし長い歴史がある町で、その土地ならではの歴史がやはりかしこに息づいている。他の町に比べたら真新しくて何でもある、新しいビルだって遊ぶとこだっていっぱいあるのだが、一歩中に踏み入れると今なお(逆に地方ではだんだん見れなくなってきたような)古びた路地があったり、かつて栄えてたであろう石造りのビルがあったり、なかなかおもしろい、人の匂いがする町田というのに最近気づいた。
 いつかも書いたが、俺の出身地の福岡では地下鉄は最近出来たもので、ピカピカしているし便利だけどどこか非人間的な香りしかしない鉄道で、鉄ヲタである俺にもいまいち魅力に欠けるような気がする。それに比べて、東京の地下鉄はさすが歴史があるだけあって、そう・・・
「大学院生なダメ偽公務員( ´ー`)y-~~」サンの日記(id:aisyuno_3rdcla:20040210)のお言葉がぴったりだ。


古臭い壁面の細かなタイルの張り合わせ模様と,ホームゲート付ワンマン運転と言う最新鋭の取り合わせ.これに東急の5080系が来た日にゃぁ都営地下鉄フェチ(その中でも萌えの壺は三田線)の漏れはイッてしまいますよ.京成の博物館・動物園前駅に通じる萌えがあります.ええ,萌えが.
ええ。萌えるんです。

パリ、ロンドンの地下鉄は、デザインにおいても優れ、独自のフォントを生み出し、営団地下鉄もそれに続いた。


この路線図で、路線のつながり方の幾何学的な図案化ということに加えてもうひとつ重要な要素がある。それは、駅名などに使われている文字の書体である。サンセリフ(文字の縦線と横線が同じ太さで、文字の止めの部分などの飾り[セリフ]がない字体)の読みやすい書体だが、これは印刷用に使われていた既存の書体を使ったのではなく、ロンドン地下鉄専用にデザインされた書体なのである。パリの地下鉄にも、アールヌーボー風の駅名表示が一部に残っていて、Macintosh用のフリーウェアのフォントにも、Paris Metroなんていうのが昔からあった。ところが、London Undergroundというフォントは流通したりしていないようだ。ロンドン地下鉄当局はデザインについて厳密に知的所有権を管理していて、 勝手にそういうことができないから、なのかも知れない。
ちなみに営団地下鉄各駅に使用されているフォント、今見るとPCで生成された文字とは違うどこか温かみのあるゴシック。

1972年のことタイポグラファー鎌田経世氏により、営団地下鉄大手町駅のサイン計画のために「ゴシック4550」は開発されました。当時我が国では公共サイン用の本格的な書体というものが無く、サイン用に開発された「ゴシック4550」はグラフィックザイナーの定番書体としてあらゆるシーンで使われ、郵便局や鉄道などの公共サイン用書体として長い間親しまれてきました。


帝都高速度交通営団」という不思議な響き、1953年制定のSマーク、やたらと狭かったり上り下りが分割されたりしている駅、歴史のしみこんだ、しかし美しくも鈍い光をはなつ細かいタイル壁.。
なんか手仕事の美しさがあるだけに、残念だな。
はやく歴史のしみこんだ鉄道になるように、せいぜい利用しておこう。いや個人的にはやっぱり「三田線のタイル外壁と統一性がまったくない駅名表示マンセー!」なんだがね。