井筒屋が福岡撤退


 「サロン・ド・井筒屋 U」は、旧JR博多駅ビルに入居していた博多井筒屋(2007年3月閉店)の後継店として、07年11月に開業。リバレインの専門店街イニミニマニモの地下2階(1800平方メートル)で、富裕層をターゲットに高級品の婦人・紳士服や雑貨、食品などを販売していた。しかし、景気低迷で高額商品の販売が振るわず、今年度の売上高は目標額(15億円)の半分。赤字も「グループでカバーできない状況」(中村真人社長)にまで膨らみ、わずか1年半余りで閉店に追い込まれた。
福岡の井筒屋、というと、すっかり解体された博多駅ビルのテナントデパートで、立替の際に契約更新を拒絶され調停にまでなったというのは記憶に新しいところ、福岡に残った唯一の拠点としてこの「サロン・ド・井筒屋U」をオープンさせたものの、ということですね。イニマニミニモには隣接して劇場の博多座もあり、そこに訪れたお客さん、主に高齢者や主婦の方々が流れてくる、という目論見があったようですが、やはり駅の利便性からこういう風に方向転換を図るというのは難しかったということでしょうか。高齢者の消費意欲が旺盛だとはいえ、その方向しか向いていなかったような気がします。
イニマニミニモが建つ中洲川端、というとやはり玉屋百貨店、そのあとのゲイツ鳴かず飛ばずですし、やはり街の姿が商業の中心地ではなくなった、ということだろうなあ、と思うのです。福岡に住んでいても特に行く理由というのが思いつきませんもの。で、わざわざ高品質のサロン、ということだと、天神の百貨店で十分目的を達しているわけですし。むしろ地方のサロン程度でよかったのかもしれません。あと、井筒屋、というとどうしても「北九州の百貨店」というイメージが強くて、あんまりなじみもないですしね。

撤退損失引当83,000万円ってかなり大きいですねえ。
井筒屋、というと、「ごいっしょに」という広告を出したり、黒崎では商店街と合同で利用できる「黒崎ごいっしょ券」という商品券を出したり、なんとか地域密着で生き残っていこうとしているところ、先日は久留米店も閉店し、北九州、関門地区に経営資源を集中させようとしているところです。山口の旧ちまき屋は好調だとも言いますし、福岡の街では無理だったんだろうなあ、と思うのです。
しかし、イニマニミニモは大丈夫なんかなあ?