若松商店街元気祭


若松商店街連合会の若手経営者でつくる「若松がんばろう会」と北九州商工会議所は10日、若松恵比須神社の「若松十日恵比須」に合わせて「若松商店街元気祭り」を開催。早朝から雪が舞うなどあいにくの天候にもかかわらず、多くの人でにぎわった。 元気祭りは「暗い世相を吹き飛ばし、元気を出してもらおう」と昨年始まった。明治町銀天街エスト本町の交差点をメーン会場に、多彩なイベントを繰り広げた。
 午前11時、市職員で組織する五平太ばやし愛好会「響」の12人が、樽太鼓と横木を威勢良く打ち鳴らして幕開け。勇壮な五平太ばやしに、大きな拍手が送られた。 若松恵比須神社の縁起物の干支(えと)の根付け500個が無料で配られたほか、「えびす祝い餅つき」でついた餅を使ったぜんざいが先着300人に振る舞われた。また、理髪やボディー・ペインティングの割安イベントなどもあり、同神社から商店街一帯は終日人の波が続いた。
さて、そういうことで若松の商店街を見に行ってきた。どこでもやっている商店街のイベントといえばイベントなんだが、一味違う活気あふれる商店街、若手の方で作りあげた祭りだという。若松、といえば石炭の積出港とか、街中をセムとかがELに引かれて走り回る北九州市営軌道とか、火野葦平とか、昭和30年代くらいでもうとまってしまったイメージなんだが、実際にはエコシティを目指していたりずいぶん形がかわっている、というのだが。

バス停から数分、若戸大橋の取り付けになる下あたりに商店街の入り口が。

市の中心部に「明治町銀天街商店街」「エスト本町」という二つの全蓋式アーケードを持つ商店街がT字型に接しており、この二つの商店街でお祭りをやっているようだ。なるほど、ずいぶん活気がある。

みな手に先ほど貼ってあったのと同じチラシを持っている。チラシにはスタンプ欄があり、スタンプラリー方式で各店をめぐってスタンプを押してくると景品〜ビニールいっぱいのミカン〜がもらえるらしい。子供づれのおばあちゃんがきて、「あらー、おかしのすくいどりおわっちゃったんですか〜」と帰っていく。ずいぶんにぎわっているようで、朝一のイベントがあっという間に終わってしまったとのこと。

イベントで人を呼ぶ、というのはよくやっているが、いまや人手不足(というか人を雇う余裕のない)の商店街、イベントのために店を閉めたり、という本末転倒の現実もあるという。でもやっぱりこういう風に売り上げを作るためのお祭り、だよねえ。この割引セールに限らず、どの店も店頭にワゴンを出し、通路にお店の方が立っている。お客さんか知り合いか、通るたびに新年の挨拶が交わされていて声が聞こえてくる。昔の商店街はどこもこうだったんだろうか。

T字路からエスト本町。ちょっと新しい感じの広い商店街だ。

空き店舗の前にも出店。

そのむこうには・・・いやえらい人だかり。この前であと1時間もするとおしるこが振舞われるらしく・・・って、まだ一時間もあるんかいな。ちょっと商店街の人も驚いていたり。いや、たしかにおじいちゃんおばあちゃんばっかりで平均年齢70歳くらいになるんちゃう?とか思ったり。

お茶屋さんの前には長蛇の列、なんでも5割引の商品券を売り出すんだとか。それだけ普段のお客さんをつかんでいるからでもあるんだよねえ。

  • どっこいしょ 

組合で管理し、「どっこいしょ」というスペースを来街者に提供している。トイレ、テレビやテーブルを設置。冷暖房完備なので特に買い物途中の高齢者には好評で、1日500人の利用者がある。 歴史、文化、祭り等のイベント案内も掲示。 出店者、来店者ともに利用者が多い。休憩スペースがあることから、特に高齢者には好評。

この「どっこいしょ」というのは普段は空きスペースのようだが、今日は「ワンコイン美容室」というイベントをやっている模様。昼過ぎに行くとお客さんがずらりと待っていた。


昼前には餅つきが始まった。ついているのは祝い餅つきの「かわち家」さんだとか。

口上とともに餅が舞い、杵が舞う。商店街の中に明るい人だかりができた。

そのころ、ぜんざいではこんな長蛇の列が。みなびっくりしつつも、「この商店街にこんなに人がいたのは初めてみたわあ」と口々に言っていたのが印象的だった。それはそうかあ・・・と納得してしまうくらいの人出だったのは確かなんだが、街の中にこれくらいの人はそりゃ住んでいるわけで、普段から街の中に買い物にくるような仕掛けができたらなあ、と思うのだ。もちろん郊外のショッピングモール、そして普段使いの車で行くスーパーマーケットもいいんだけれども、やっぱり既存のインフラが整って昔から街をつくってきた中心部、そこをつかわない手はないよなあ、と思うのだ。時代に取り残され、なんとなく利用されないところになるというのはとても寂しいことではないか。大体、不経済だ。


このエスト本町では「まちかど美術館」として、近くの幼稚園保育園の子供たちの絵を飾っている。ちゃんとチラシがあって、どこに誰の絵が飾っているのかもわかり、定期的に絵も取り替えられる本格的なものの様だ。