福津市あたりにスーパーASO

生鮮品の激安販売で順調に収益を伸ばしている、(株)スーパー大栄ダイエーとは無関係)の「鮮度市場」、けっこう俺も利用している。市場からの直送をうたっており、市場の休業日は店も休み、野菜類も基本バラ積みで価格を抑えているということで(いくらなんでも冷蔵庫がない、とかそこまでは徹底していないと思うけど)普通の食品スーパーに比べると品質は同等、値段は2割ほど安いんじゃないかなあ、という印象を持っている。土曜の朝などひどい混み具合だ。

さて、いつも利用している福津市の鮮度市場の手前の国道沿いに「スーパーASO」があるのがちょっと気になっていた。筑豊ではたまに見かけるスーパーで、前身は「麻生産業株式会社石炭部門用品課」という由緒正しい「麻生一族」だという。ウェブサイトに寄れば現在筑豊を中心に19店舗3売店を運営している。

ウェブサイトを見る限り、地元の小さなスーパーっぽいんだが、今度行ってこよう。ま、総理が株主だから、となると麻生グループ全部がそういう話だからこのあたりはアレっぽいけれども。

さて、ちょっと興味深い記事。


 福岡市の衛星都市福津市では、古賀市サンリブの巨艦店が開設されて以来、福間駅前商店街が総崩れ。スーパーもダイエーの古賀店・福間店が撤退、壽屋の店舗も破綻するなど、供給側の縮小が続いた。一方、マンションブームによりJR福間駅周辺にマンションが乱立、人口も増加、需要は拡大していた。そこへ、カテゴリーキラーのスーパーが台頭。スーパー大栄の鮮度市場(安売販売に変更)や安売りのルミエールは、平地の駐車場がいつも満杯状態(進出)。壽屋跡は西鉄ストアーとなり、ダイエー跡にはマルシェが、ダイエー古賀店跡にはイオンが進出した。古賀町の福間寄りにはイオン系のマックスバリューも新たに開業している。
 こうした中、鮮度市場による、生鮮の激安販売の前に、目と鼻の先にあるABCマートが潰れた。その店舗跡にASOが進出してきたのである。関係者は「秘策があるから大丈夫ですよ、今後農家の直販コーナーを開設します。お客が集まりますから必ず成功しますよ」と胸を張っていたが、直販コーナーや生産者農家の名を銘記する販売手法は、多くのスーパーで既に行なわれており、目新しいものではない。安いか・絶対安全かに消費者の購入パターンは大別されてきており、どっち付かずの小型スーパーは淘汰されるしかなかろう。
 現在、福間駅から3号線までの110haにおよぶ区域で、区画整理事業による大開発が行なわれている。3号線沿いに商業施設用地として10ha以上をイオンが購入。イオンは総合スーパーと大型専門店をテナントの核として、100−150以上の専門店モールが入る大型SCを、2010年秋に開発予定である。
なんだか随分時系列がぐちゃぐちゃな記事だから補足。サンリブ古賀店の開業は1992年、r495沿いに立地しておりダイエーの古賀店とはR3沿い、千鳥のハイパーマート千鳥のことだろう、2000年閉鎖。ダイエー福間店(ユニードダイエー福間店)は1980年開業、閉鎖は1995年ごろだっただろうか(不詳)。安売りのルミエールは福津市のかなり古賀市に近いr495沿いにワンプライスの眼鏡屋、衣料量販店のハニーズ、そして生鮮食料品テナントを持つオープンモールで2008年に開業、そのすぐ古賀市側にイオンのマックスバリュが同じく2008年に開業、こちらはドラッグストアコスモスが隣接して出店している。その間あいだに西鉄ストアマルキョウといった昔からあるスーパーが組み込まれているような形になっており、こうしてみると記事に書いてある以上に時系列で店が移り変わっていることがわかる。記事にあるように、「激安」とか「産直」とかのキーワードで広範囲に客を集めるカテゴリーキラーや専門店、品揃えで押してくる大規模店舗、そして小商圏でやっていく従前のスーパーマーケットという図式になっており、さらに最近はそのカテゴリーをさらにまたがった店舗や複合モールに形が変わってきているようだ。
記事は、「八百屋程度にしか過ぎない小さなスーパーがどうやって特色を出していけるかが試される」ということで結んであるのだが、至極同感。[鮮度市場」や周囲にも数多くある自治体やJA,道の駅などの産直販売とどう住み分けていくのか、周辺のマンション需要にどう食い込んでいくのか、というのが試されるように思われる。しかも筑豊、というと農産物が豊か、とか、品物が高品質、とかいうイメージが福岡地区では特にないように思われるだけになおさらだ。商店街の個人店舗にしろこういうスーパーにしろ、ターゲットが明確じゃないとあっという間に淘汰されてゆく。
 まあ福間も芦屋も距離的には筑豊のようなもの、といえばそうなんだけれどもね。