そしてさらに西へ。

正直、乗り換え大丈夫かなあ、とか思ったのは秘密。

東京からはそのまま寝台特急富士で大分まで。
廃止になる、という噂が絶えない、というか今年限りだと言われているからか、ギャラリーが多いが乗客も多いらしく、一ヶ月前に「はやぶさで博多まで、開放Bの下段」とお願いしたら「上段が3席しかあいてないよ」とかいわれてしまったので、意味はないけれども富士。しかし、そんなに混んでいるのか・・・
ま、それはともかく18時過ぎの東京駅。日曜なので通勤ラッシュというわけではないが乗客はいつ見ても多く、地下通路はごった返している。そんな駅のはしっこから、するすると列車は動き出した。東京駅からだと車両によってはがらがらなんだが、このボックスはきちんと4人埋まっている。さすがに子供とお父さんという組み合わせが多いんだが、確かに子供づれだと便利といえば便利なのかなあ。そんなことを考えていると「ハイケンスのセレナーデ」が流れてきた。

「本日は寝台特急富士号・はやぶさ号をご利用いただきましてまことにありがとうございます。富士号、大分行き、はやぶさ号、熊本行きです。列車は前から1号車、2号車の順で6号車までが熊本行きのはやぶさ号です。7号車から12号車までが大分行きの富士号です。2号車はA寝台、3号車はB寝台の個室です。8号車はA寝台、9号車はB寝台の個室です。そのほかはB寝台車となっております。
主な駅の停車時刻をご案内させていただきます。次は横浜です。18時27分の到着です。沼津、19時52分、富士、20時08分、静岡、20時35分、浜松、21時28分、豊橋、21時55分、名古屋、22時45分、岐阜、23時08分、京都、0時36分、大阪、1時06分の順に停車をいたします。広島、5時21分、岩国、5時57分、柳井、6時23分、下松、6時45分、徳山、6時53分、防府、7時17分、新山口、7時33分、下関、8時32分の順に停車をいたします。下関より先は明日の朝ご案内させていただきます。なお、車内販売、食堂車はございません。翌朝は徳山より、車内販売をいたします。どうぞご利用下さい・・・」

長い案内放送の他はただ静かな室内だ。東京の街が後ろへ後ろへと飛んでいくが、もう窓ガラス一枚隔てた向こうは遠い世界のような気がしてくる。かなり古びた14系客車の継ぎ目の音が時折大きくなる。