浅草夕景

会食などするということで年老いた両親を東京まで呼ぶことに。どんよりした冷たい空の下、早朝に起きて海岸通を新幹線の基地を見つつ羽田空港まで自走する。海岸通のコンテナバースは人も少なく、道路際にぽつんとまず使われなさそうな都バスのポールが立っているばかり、大型トラックやトレーラーが頻繁に通るが、騒々しくもひっそりとしていて空が広い。
 午後ホテルまで送って、遅くに大門から都営浅草線で浅草へ。

今日も浅草は人であふれている。東京都内どこの繁華街に行ってもアジア系の旅行者をよく見るようになって久しいが、この浅草ではまだどっちかというと西洋系の人が多そうだ。そんななかを、年老いた両親がゆっくりゆっくり歩いていく。父は障害があるので長いことたっておれず、少しつらそうな感じ。両親とも、何十年も昔、それぞれで東京に住んでいたことがあるというが、そのころからこの浅草の風景は変わらないのかもしれない。しかし多分、空港からここまでの風景はすっかり変わってしまっていたことだろう。記憶と違ってしまった町は寂しい。そういう町で俺は生きているんだけれども。


浅草寺のおみくじは正月に引き続いて大吉だった。今年はついているかもしれない。

帰りがけは雪。浅草で降り出した雨は水道橋で霙に変わり、駒込でフロントウィンドーの端が凍り始め、十条で吹雪、環七を超えるとそこには道はなかった。