ギンギラ太陽's 地方公演

さて、こういう事態になるとこれは神の思し召し、ということで急きょ劇を見に行くことにした。4月に福岡に見に行った(id:sa-50:20070421)ギンギラ太陽'sが、二度目の地方公演のために東京に来ているのだ。これをいかずになにというのか、ということで、当日券があるんじゃないかという希望を胸に天王洲アイルへ。劇場に当日券があるか聞こうと思って電話したのだが、なぜかつながらないがな。

今回の演目は、「翼をくださいっ! さらばYS-11」.だんだん進化していっている「翼をくださいっ!」の最新作ということで、たぶん主役は福岡の空をぐっと身近にしたスカイマーク(当時はスカイマーク エアラインズ)への劇であり、引退直前まで福岡の空を飛び、昨年引退していったYS-11への劇でもあるようだ。
さて、ちょっと二日酔いのなか、天王洲アイルへ。ついたのは開演二時間前の12時.だれもいない。


30分ほど待って前売りがあるということを準備中の劇団員の方に確認して、ようやく安心して列に並ぶ。列、というほどのことはないんだけれども、ぱらぱらとそれでも当日券を求めるお客さんがやってこられて、1時間前には20人程になった。で、ようやく購入。そこからはどんどんお客さんがやってくる。そう、ギンギラ太陽'sの劇は開演30分前には始まっているのだ。



ほら、「福岡の道は俺の物」西鉄「ヤクザ」バス軍団*1。今回も大記念写真大会でスタート。劇の前からすでに福岡満開、そして会場のこの奇妙な一体感。遅れてきた(といっても開演前)客さんが「もうおわっちゃってた」と残念がるくらい、意味もなく楽しいのだ。


まあ、そんなこんなで劇が始まる。
もうこれを書いている14日には公演が終わっているので、まあいいかなあ、と以下ネタばれなんだが。
上記に挙げたように、福岡の空に新たに進出してきたスカイマークと既存大手航空各社の争いを導入としつつ、そして国産飛行機として日本の空を、そして引退当日まで福岡の空を駆け海外に売却されていったYS-11をキーマンに置きつつ、雁ノ巣、板付空港を取り巻く「空に賭ける思い」を書く熱い物語。今回も熱い。人は出てこないが、「モノに込められた想い」をモノを通して浮き彫りにしていくこのスタイルはどうしていつもこんなに泣けるんだろう、というくらい笑えるけれども泣けるのだ。どんなものでもいい、どんなものにも歴史があるわけで、そこに込められた人の思い、そして時代の匂い、街の景色がそこに浮かんでくるのだ。
前回みた「流通戦争スペシャル」は流通に携わる者としても十分泣けた。今回も、身近なものが次々と出てくるから泣けた、というのもあるだろう。やっぱりその舞台を知っていると一番「ああ、そうだねえ」とか「うわ、そんな小ネタw」とか楽しめる部分もあるだろう。俺で言うと、YS-11は丁度俺の実家が福岡空港への北からの進入ルートの真下にあり、数多くの飛行機が行き来する中でひときわ独特のダートエンジンの音を響かせて低空でやってくる、という点でなじみの存在だったし、雁ノ巣空港跡(雁ノ巣レクレーションセンター)は、遠足のデフォルトとして、そういえば昔格納庫の中まで入ったよなあ(25年ほど前だが、すでに穴だらけだった)とか、スカイマークって就航1週間後くらいに乗ったが、福岡空港でバス移動なんてそりゃないなあと思ったなあ、とかいろいろ思い出す。しかしそれだけではない。福岡人工島の庭石に始まり、いつも欠航でJASが細々とMD80を飛ばしていた旧北九州空港、田んぼの真ん中佐賀空港、滑走路は3000mの長崎空港福岡空港の1タミ、2タミ、連絡バス、昔の話だと板付空港の「かまぼこ」、コーヒーショップからはじまり機内食で一気に大手になったロイヤル、そして大刀洗飛行場、と次々と福岡ネタが飛び出してくる。そしてそれらすべてがほとんど史実に基づいているんだから、もうこれがどうして泣かずにいられようか。

という訳であっという間の2時間だった。「この劇を見て、今から時間があれば羽田空港に行ってください。羽田空港のロイヤルでコーヒーを飲みながら飛行機を見てください。どうして全国の空港にロイヤルがあるのか、これでお分かりでしょう。そしてそこから見る滑走路の風景もまた違った風景に見えるはずです。JALJALANA、そしてたまにSKY。これらの空も、すべて雁ノ巣が見守っているのです」最後の大塚ムネト主宰の言葉にまた泣けたり。
いや、福岡以外の人にもお勧めですマジで。ついでに福岡の人と見るとさらにお勧めです。ええ。


戦利品。公式パンフと、チラシ。ピンク色のは「明太子の日」の「ふくや」のチラシ。


で、Tシャツ、えっと、左から「筑豊銘菓ひよこ」「博多玉屋」「IMS」「岩田屋」かな?で、一緒に入っていたチラシは九州島内バス乗り放題パス「SUN-Qパス」。さすが西鉄

*1:実際そうだ