やっぱりうまくいっていなかったのか

ヨーカドーで衣料品、いわゆる「平場」改革を進めていた元伊勢丹の「カリスマバイヤー」が退任、というニュース。


複数の関係者によると、健康上の理由に加え、商品戦略をめぐる会社側との方針の食い違いなどから思うような成果が上がっていないことも退任決断につながったという。退任後は独立するとみられる。
 藤巻氏は、伊勢丹時代に若手デザイナーのブランドを集めた売り場「解放区」を創設するなど、「ファッションに強い伊勢丹」のイメージ定着に大きく貢献。“カリスマバイヤー”として脚光を浴びた。
 その後、平成15年に、経営破綻(はたん)した福助の社長に就任して再建に尽力。17年にはイトーヨーカ堂鈴木敏文会長(当時)にスカウトされ、衣料品の不振にあえいでいたヨーカ堂で、デザインや売り場の改革を担当。新ブランドを立ち上げるなど立て直しに取り組んだ。
 しかし、百貨店と低価格主体の総合スーパーでは勝手が違うこともあり、効果は限定的にとどまっていた。また、藤巻氏に業務が集中し、過度の負担から体調を崩したこともあったという。このため、今年8月にはヨーカ堂衣料事業部長の役職を退任していたが、完全にグループから身を引くことになる。
藤巻氏が立ち上げたという平場改革のPB、pbiが登場してまだ二年弱で早々の撤退となった様子。pbiにしろ、取り上げられた当時は「意外といいんじゃない」とか「ユニクロよりも少なくともしっかりしている」という声も、「いや所詮は」という声も、いろんな意味で評判だったのだが、最近ではついぞ聞こえなくなってしまった。セールシーズンにヨーカドーに行くと、他のセール商材に交じって「赤幕半額」とかのコーナーに半額以下、原価割れにまで値下げされて押し込まれている風景によく出会う。そういえば、登場当初のお客さんであろう人の意見にも「もっと安くなるだろうからその時だとお得」という声も多かったっけ。
やっぱり「スーパーで衣料品をどう売るのか」というところにそうすると帰結してしまうのかなあ、と思うのだ。ユニクロのように、一貫した方向性を打ち出せるかどうか、ということになるのだが、結局どっちつかずなのが現状で、だから昔からのお客さんしかついていない、ということになるんではないかいな。