価格凍結から一歩踏み込んで


 総合スーパー最大手のイオンは29日、プライベートブランド(PB)「トップバリュ」の24品目を30日から当面の間、10−25%値下げすると発表した。内訳は食パン、ヨーグルト、しょうゆなど食品18品目と、洗剤など日用品6品目。原材料高騰を背景にメーカー各社の値上げ発表が相次ぐ中、あえて値下げに踏み切る。製造・物流両面の合理化努力に加え、数量で従来の2−5倍の販売増を見込むため、採算は確保できるという。
イオンがPBをこれまでの価格凍結から一歩踏み込んで値下げというニュース。価格凍結といえば、1972〜73年のオイルショック時にダイエーが「価格凍結宣言」を出してNBブランドの食料品・生活用品の大部分の価格を凍結した、というのが思い出される。スーパーマーケット、小売がメーカーに対して対峙し、値上せざるを得ないものについては次位のメーカーにPBを作らせ、売場をPBで置き換えていくという戦略をとったということで、値上せざるを得ない局面を逆手に取った当時のダイエーらしいうまい戦略だったと思う。
 ダイエーとイオンのPBの違いは一言で言うと、メーカーの違いと聞いている。トップシェアのメーカーに安く作らせるのがイオン、次位のメーカーを使うのがダイエー、だったろうか(当然一般論に過ぎないんだけれども)。
 そう考えると、この「値下げ」、トップシェアに更にシェアを取らせることによって値下げ圧力をかけていくんだろうなあ、と推測。