多摩の空の下で

仕事に使ったり面接とか、そんな感じの靴がなかったなあ、とか考えて、天気が良いこともあってぶらりと多摩は南大沢のアウトレットまで。ガソリンも高い昨今、環境を考えてもよくない行為だよなあ、というのもあり、なんだか向かう方向性が誤っているし、おそらく想定されていない使い方だしであんまり褒められたことではないのだが。

多摩丘陵の端のほうに位置する南大沢は、都心からは遠いが周辺には山筋谷筋はあるものの、住宅地や学校が広がっている。商圏としては東京西部から神奈川といったところだろうが、家族連れとか犬と一緒に買いものとか、平和な光景をよく見ることができる。アウトレットの向こうにはどこまでも住宅地が広がり、その向こうには緑の山々が連なっている。アウトレットの向こうの都心から移転してきた大学では学園祭が行われてており、音楽が遠く近く聞こえてくる。駅前には大きなGMSがそびえ、近くのディーラーが新車のキャンペーンをやってたり、農協が生産直販の朝市をしていたり、あまりに平和な光景だ。たぶん、ここの住人の方の多くは都心に通勤にで、休日を地元で過ごすといったところだろう。どれくらいの人が実際に日本でそういう生活を送っているのかは知らないが、実際に一極集中の進む日本の一番典型的な風景であり、今や日本の原風景ということになるのかもしれない。
そういえば地元紙にこんな記事が。


「ここは観光地でありません。お客さんは二度三度と来て下さるリピーターの方々です。飽きずに満足して頂ける街なら必ず当方にもご来店頂ける街です」「イトーヨーカ堂をはじめ南大沢のビルには沢山の個人商店が入っています」。
 いま「元気な街」への参加協力は大学や保育園を併せて33の事業所を数える。商店街企画の枠に留まらず「街づくりを地道に定着させたい」と語る越川さんには企業の繁栄と地元の活気のバランスを考える広い視野が窺われた。 
たしかに、素敵なアウトレットモール、その一番のエントランスに自転車がずらりととめられている光景というのはなかなか見られるもんじゃないと思う。つうか自分の家のすぐ近くにあれば大変便利ですね。それをアウトレットと呼ぶのかは別としても、ショッピングモールとしての完成度はすごいと思う。
良くも悪くも「普通の街」ということに尽きるわけで、そんななかぽっこりと時間を過ごしていると不思議な浮遊感覚に陥ってしまう。住んでいると感じないんだろうが、普通の感じ、っていうのはこういう感じでいいのだろうか、という思いでもあるような気がする。